時間の制御。

 アフターエフェクツやプレミアで映像を編集するにしても、フラッシュで動的なコンテンツを作成するにしても、従来の平面デザインや造形デザインとは別の感覚が必要です。それまで平面デザインばかりを作成していたので、最初にフラッシュで単純な絵を動かした時の感動と時間の感覚があまりにも無さ過ぎて妙なギコちないモノを作っていたように覚えています。時間軸という感覚が動的なコンテンツを作成する場合は非常に重要な感覚になり、普段テレビや映画で観ている作品の素晴らしさに改めて感動したような記憶があります。そんな動的なコンテンツを作成するソフトを使用しはじめてほぼ10年が経ちまして、それなりにテレビや映画を観る感覚が自分の中にできてきた実感はあるとは言え、まだまだ、非常に単純な動きに気がつかなったり、動きの細部ばかりを気にしすぎて全体の構成がグダグダになったりしてしまいます。画面に文字が現れるだけでも、あんな表現こんな表現と記憶をたどりながら、実際の動きをソフトで作成してみるのですが、なかなかこれが難しい。きっと平面デザインでも同じで、イラストレーションなどの手法や構図の設定も同じなのだと思います。
 昔、デザイン業界に入れた時にイラストレーションにこだわりがあったものですから、いろいろな最前線のプロフェッショナルなイラストの作成方法を雑誌や専門誌で見て、「こんなこと本で紹介したらたぶんこれそっくりにマネする人がどんどん出てきて仕事を取られるんじゃないの!?」と考えていた。しかし、そんなにプロの仕事の山は低くない。改めて長い事この仕事をしていると、昔、そんな雑誌を見て思ったことは「若かったなぁ~!」とつくづく。逆にPCとソフトウエアがこれほど普及し、クリエイターの方以外の皆様も同じ環境で様々なコンテンツを作成されていますが、あきらかに何かが足りない。そうならないために何が必要なのかと考えるのですが、それは分かりません。ただ、プロの手法や画材を熟知し最高のソフトがあっても最後の最後は感覚が作品のクオリティーを左右するとしか言えません。その何かをもとめつづけながらモノを作るか作らないか。最初からこの程度でいいと思ってしまうと絶対にそこから作品のクオリティーは上がらないということ。さて、時間の制御についても同じ。観ているだけで頭で理解しているだけでは何も始まりません。