SHADEというソフト。

 3DCGを作成し始めてほぼ10年が経ちます。グラフィックデザインやイラストレーションの仕事をしながらどこか気になっていた3DCG。たぶん、ピクサーの映画を観たりしたことで、ソフトウエアで可能ならば取り組んでみたいと考えたのが最初のきっかけだったように思います。さかのぼればもっと前にSHADEというソフトウエアがあり3次元の作品ができるという知識はあったのですが、それはそれは高価なソフトウエアでとても手が届きませんでした。確か100万円以上していた時代の記憶です。それが、手の届く範囲に価格が落ちて来て10年前に飛びついた。

 Flashに取り組み始めた時もそうですが、Z軸の感覚がない平面デザインの感覚ではかなり戸惑いました。そんなモデリングの感覚もさることながら、マッピングという過程やライティングというプロセスはもうよちよち歩き状態で今考えるとお絵かきレベルを卒業するのにかなりの時間がかかりました。しかし、仕事で建築パースやキャラクターを作成するとなると、そうよちよちも歩いていられず、自分で自分にプレッシャーを設定してトライ&エラーを繰り返し覚えていきました。他にもいろいろな3DCGソフトがあり、SHADEを検討するときに他も検討したのですが、やはり価格的な部分で購入はできませんでした。今では人間こそまだまだハードルが高いものの、他の表現はほぼモデリングできるところまで手になじんでいます。そうこうしていると、人体専用のモデリングソフトが出てきたり、風景専門のソフトウエアが出てきたりで、かなりの表現がけっこうイージーにできる環境が整ってきた感覚があります。

 SHADEとアフターエフェクツ系を連携させれば、最初に感動したピクサーのような(あくまでもような)作品は技術的に制作可能なところの入口にはたどり着いたと思います。さて、ここからが出発点なのです。ノコギリで木を切れても五重塔はできません。のみを使えても大仏はできません。100万円以上の高価だったソフトを手ごろ価格で入手して、ほぼ手になじむようになるまで10年。SHADE9の簡易版が¥6,800で購入できるという雑誌広告を見ても、「ノコギリが安くなったなぁ~」と思う程度。何かを作る時に大切なモノはお金では絶対に買えないのですよ、これが。