人気作家さんの苦悩。

 お盆休みは何かと忙しくて季の雲さんでの「市川孝さん」の個展に顔を出せませんでした。本日夕方にギャラリーさんにお邪魔すると、あれれれれ・・・、市川さんの作品が数えるぐらいしか残っていませんでした。実は個展の前日(10日)にチェックに行っていたのですが、その時はところ狭しと展示される準備の器が搬入された箱にいっぱい詰まっていたのに。オーナーさんに聞けば、初日と二日目でほとんど完売状態だったらしく、今の段階では全体の10%も残っていないとのこと。すっげ!人気作家さんの個展とはこのような展開なのかい!!!ほんとに季の雲さんの展示会はこのパターンが非常に多く、人気作家さんの器を狙っている人々のエネルギーに圧倒される。九州からも東京からも各地から市川孝さんの器を求めてお客様が訪れるらしい。こんなエネルギーは自分の中にはないよなぁ~とまたまた舌を巻いているおっさんひとり。しかし、人気作家さんのご苦労は売れなければ売れないご苦労があるのですが、売れたら売れたで様々なご苦労がおありだとのこと。私には想像できない実感できないその「嬉しいプラスの苦労」が実はとても羨ましいと思いました。どうやらいつもいつも「悲しいマイナスの苦労」をこの歳まで繰り返しているとそんな苦労が世の中にあるのかというほど「苦労観」が麻痺している自分に気がつきますね。しかし、お客様の喜ぶ顔を頭に描きながら魂を注ぎ込む作家さんの活動はたぶん絶対このプラスのループがあるから成立しているのでしょう。誰からも与えてもらうことのできないこのプラスのエネルギーを作品を通じて作家さんは獲得される。そして、それが、人の心に響きその共鳴が自分の心に響きまた作品が生まれる。これでこそモノヅクリの在り方だと思いました。
 さてさて、私はそこで何をしているのだろう。皮算用やセオリーばかり追いかけて本質を追求していますか?マイナスとかプラスとかって頭で考えて机の上で考えて「お前は電池か!」って感じです。仕事柄でもないのですが、たくさんの舌だけ鍛えて肝心の手や目や頭は大丈夫かい、おい!大丈夫なのかい!って「お前はキンニクンかぁ!」。悩んで大きくなれる男になりたいとつくづく思う残暑厳しい今日この頃なのでした。