強いデザイン。

 良いデザイン悪いデザインの基準についてある程度経験上のモノサシはあるのですが、これだっ!というような明確な数値的な基準はありません。イケているイケていないという基準やアリとナシの基準もケースバイケースでファジーに臨機応変にデザインに取り組んでいるのが現状なのです。良いデザイン悪いデザインには確実に個人差がありますし、これは有名な日本を代表するようなデザイナーさんのデザインでも、「これはちょっとナイなぁ~」というようなデザインもありますし、どこかローカルな駅に置いてあるフリーペーパーでもおしゃれでデザインがしっかりと作り込まれていると、「おっ!やるやん!」みたいな展開もあります。つまり、デザインとは千差万別で「空」のような存在。
 一方、印刷物などのペーパーアイテムやWebサイトやTVCMなど制作物本体はデザインと密接な関係にあるのですが、コストというモノサシがあります。技術的な費用面や制作時間的な費用など数値で測ることができる。つまり、「安くてもいいデザイン」と「高いのに・・・」みたいな制作費用と何かを比較することができるわけです。それらはある程度固定的な存在なので、デザインと比較して考えると「大地」のような存在なのでしょうか。人が大地の上に立ち空を見上げてどう感じるか?立っている場所と見上げた時の空の関係みたいな事がデザインの仕事をしているといつも考えてしまいます。
 現在、取り組んでいる仕事の場合、どれぐらいの大地にどのような空を用意するのかという思考パターン。蝶や鳥を飛ばすのか、ひまわりやあさがおを植えるのか、高いビルを建てるのか、涼しい風を吹かせるのか・・・。非常に話が壮大になってしまいましたが、感覚的にはそんな感じなのです。で、世の中に出ているいろいろな制作物(印刷物・Webデザイン・TVCMなど)でこの頃、気になる「強いデザイン」。かならずしも強いから良いという訳でもないのですし、弱いから悪いという訳でも決してありません。例えば「iPod/apple」のTVCM、あれは強い。そして、「無印良品」のペーパーアイテム関係は強い。勿論、企業イメージが先行しているからあのデザインが成立するのですが、ガッチリと大地を踏みしめているデザインがここ数年とても気になるのです。