物忘れ。

 ある書籍を読んでいて、その著者はビジネス系のカウンセリングをしている先生で、その施設にこのような悩みを抱えた会社の経営者が来られたそうです。「最近、物忘れが激しくなりまして、歳だとは思うのですが、さっき考えていたことが数秒で忘れてしまうんです。昔はこんなことはなかったのですが・・・」という相談でした。よくよくその先生がその社長さんに話を聞くと、その会社は小規模のスタッフ10名程度の会社でそれぞれのスタッフがたくさんの仕事をしているそうです。その社長様も昔は現場で人と接してバリバリと仕事を潤滑にこなしておられたそうです。それが、管理する側に立ち全体を見る立場になった頃から物忘れが激しくなったそうです。
 若い頃、仕事のできる方は仕事への熱意もあり、アイディアや仕事の段取りも他の社員よりは上手くこなしていたということ。それが、管理する立場になったら、昔の若い頃のように頭がキレなくなってしまったそうなのです。これを聞いたその先生(著者)は、「ご安心ください。」と一言。その理由は昔社員で働いていた時は上の者から指示を受け、与えられた仕事だけを処理していたからで、管理する全体を見なければならない立場に立った現在と比較すると、きっと、仕事量は増えていますよ。そして、経営やお得意様との仕事以外の事に対しても神経も使っておられるはずですから、単純に若い頃こなしていた仕事が10だとすると、現在は100以上の事が頭にあるはずです。これでは、どんなに優秀な方でも対応できないですよと。
 また、仕事を処理する能力は前頭葉という脳の部分で処理しているらしいのですが、現代のデジタル時代に対して前頭葉はかなり悲鳴を上げていると警笛をならしておられます。デジタル機器とアナログの仕事のバランスが複雑になり対応できないケースが増えているそうです。さらに、前頭葉の処理能力とその能力の持久力の点では現代人はとても貧弱で、特に若者の前頭葉の持久力は微弱だそうです。これが何を意味するのかはそれこそ多岐に渡るのですが、デジタル時代のYesとNoの選択しかしていない現代の仕事の現場では応用力も持久力も鍛えることができない環境らしいですね。
 さて、物忘れ対策として効果的なのは、昔ながらの「メモ対策」がベストらしいです。何ごとも自分の手で視覚化することが脳にも良い影響があるとのことでした。