近江商人スピリッツ#001

商人にとって何より大切なものが「信用」であると。それは今も昔も変わりないと。正直とは人の道であり、若い時にこのことをわきまえた者が人の道にかなって、立身できると。古き近江商人達は言っている。また、「他国へ行商するも、総て我事のみと思わず、その国一切の人を大切にして、私利をむさぼることなかれ」という家訓が残っている。これは「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」の考え方を述べている。商いとは売り手と買い手という当事者に好都合というだけではなく、その取引が世間にとっても好都合でなければならない、と言っている。生産者も販売者も消費者も含めた社会全体の幸福につながって、はじめて商いが成立するという教えなのです。
 あまりも平易な表現の中にこれほど重要な真実が含まれている。この地(近江)で商いをさせて頂き始めて14年目。非常に考えることが多い。この景気こそが何より悪く、社会が悪いから商いが良くならないと考えの元、経済、政治、文化、教育などなど、総てが悪いから儲からないと考えるのは、非常に安易である。悪い悪いと誰に言うわけでもなくつぶやいているだけで、何もしない、何もできない人になりたくない。だから、近江商人のスピリッツが心に響く。常に自問自答する、「売り手はいいのか?買い手はいいのか?そして、これで世間はいいのか?」と。