羊たちについて#001

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 映画の印象度に大きく影響する「前情報」。たとえそれが素晴らしい映画でも、この前情報とのギャップにもろくも崩れていく作品が多い。映画ファンとは妙なもので、前評判は詳しく知りたいが、自分の好みと違う切り口での情報には見事にフィルターをかけてしまう。誰がどのように「良いらしい」「悪いらしい」とコメントしているか、その理由は主観なのか客観なのか・・・などなど。で、共感を抱いている人物やメディアの情報はけっこう鵜呑みにして、あまり共感できない存在からの情報に対しては自分に都合のいい解釈をして澱を除く。結局、自分の観たい漠然としたチャンネルでしか前情報を入れないという誠に勝手な前判断をする。映画にはジャンルがあり、これまで楽しめた映画の傾向やカテゴリーを踏まえてこの映画はどのジャンルなのかもしっかりとチェックするように思います。自分で映画を決めて映画館に行く前は、両親や家族の好みや時代性で連れていかれるわけですが、私の場合はそれが「ジョーズ」の第1作目でした。何を感じたかについてはとてもシンプルで「海は怖い」という印象だけが子ども心に刻印されて映画館を出たような記憶があります。だから、最初に映画館で観る映画というのはその人の映画に対する印象のスタートラインですから、どのようなシチュエイションで映画にランデブーするかは非常に重要だと思います。これが、小説や絵や音楽なら、それほど、意識せずとも、最初に見たのは聞いたのは「ああ、あれだったかなぁ~」程度だから、緩い印象でいいかもしれませんが、映画を見るといういTPOは限られた空間に2時間ほど拘束されてそれだけを観賞するクリエイションだから、他のジャンルの芸術よりも印象度が高いのだと思います。逆に映画館に行くというのはそれなりの金額を支払って入るわけだから、気合も違うし、よく「この映画がつまらなくて映画館で寝てしまったぁ~」ということを言う人がいますが、これは私の場合は絶対にない。これまで寝た映画は1本もありません。この段階で、最初に観た映画「ジョーズ」が映画のスタートラインだったので、映画とは自分なりに最大限気合を入れて観るモノだということがこの頃にインプリントされたのかなぁ~と思っています。
 さて、「羊たちの沈黙」はそういう前情報が0で、仕事終わりで新宿の映画館で観ました。それが、18年前ということなのに、今でも、私の歴代映画ベスト10の上位3本(気分によって他の2本とコロコロ変動するのですが)に鎮座しています。N.Y.にいた時は英語版の和訳なしのVHSテープを買い、通常のDVDを買い、スペシャルエディションを買い、日本語の原作は勿論、英語版の原作本も持っているということになってしまっていますから、前情報がなかったことがとても良かった良かったと振る返るわけです。「前情報・前批評」の受け取り方やBEST3の他の2本についてはまたいずれこの中で書いてみます。
 で、こちらが絶対に忘れられない印象的なファーストシーン。しばらく、「素人なんでも映画評論」は「羊たち~」についていろいろ書き込んでいきたいと思っています。ところで、皆さん、観られました?