最後は人ヂカラ。

 最近創ったアクトのミニミニリーフレットの中にも書かせていただいたのですが、デジタルツールの進化、専門ソフトウエアの安価化、デバイスの普及などなど、ほんとに目まぐるしい、ギアやソフトウエアの進歩は何かのCMではないが「貴方もプロの技を使いこなせる!」みたいな錯覚に引き込んでくれる。とは言えこの仕事(デザインと広告は20年以上、WEBサイトは10年そこそこ)を20年以上しているからと言っておこがましくも自分自身がプロというレベルで何かをしているとは思ったことがない。ただ、何に取り組むにも自分のポテンシャルと向き合い、自分のキャパを越えるような物件ならネットワークの仲間にサポートをお願いして仕事に誠意に取り組んできた20年に過ぎない。けっして、自分の看板を磨くことやその看板をできるだけ高いところに翳すようなことは絶対に避けてきた。それがプロだと思う方もいるからそれはそれ予定調和でそれでいい。あらゆる構造には不変で不可解な物理定数が含まれているから。
 で、ミニミニパンフに何を書いたかと申しますと「売れるデザインとは・・・?」みたいな切り口で、売れるデザインを創るためには、プロフェッショナルからの言葉をただお客様が聞き、言うとおりにしているだけではダメだと思うと書いています。プロが100しゃべったら、お客様は101しゃべってほしいと思う的なことを書いています。すると、プロは102目を考える。そして、レールはどこにでもあり、売るためのレールを創ることはそれほど難しいことではない。しかし、すでにあるレールに乗せて商品を売ろうとするのか、新しいレールを敷きその上に乗せて商品を売ろうとするかは、プロにも最後の最後で分からない。分かるはずはないのですから。だから、一生懸命、プロも考えているんですよと書いている。
 プロだから売れるデザインの引き出しがたくさんあるでしょう?と言われてても、引き出しはマトリックスの中のM-16の倉庫よりたくさんありますが、そこには「売れる元」は入っていません。そこに並べてあるのは、電球を発明するためにエジソンの膨大な失敗作のようなものが並べてあるだけで、それはたったひとつの成功へ導くための膨大なる失敗作品。言わばプロである条件、より、高いレベルでのプロフェッショナルになるための条件があるとすれば、成功事例の数よりも失敗事例の数をどれだけ自分の引き出しに持っていられるか・・・ではないでしょうか。これは、さすがにデジタルツールには荷が重い。