音のクリエイティブ

 テレビメディアやインターネットメディアもさることながら、デジタルコンテンツと音(音楽)素材は深い関係がある。クリエイティブという仕事はひとことでこうであるなどと言えない(勿論、他の業種でも同じことなのですが。)部分が非常に多いので、「いいクリエイティブ」とは何かということを常に考えて、考えるだけではなく、自分の手で創って体感し試行錯誤をしている方と、デレクションという立場でアイディアやTipsだけに特化した関わりを持っている方とではあきらかに完成するクリエイティブの体温が違うような気がします。それは、暖かい印象のクリエイティブであれ冷たい印象のクリエイティブであれ、どこか創り手の心というか想いというか工夫やアイディアが感じられるモノは印象に残り魅力を感じる。色や形や構成や物語性や時代性などその変数は限りなく存在し、数多のエレメントも組み合わせはたぶん天文学的な数字になるだろう。それらをクリエイターは目的のクリエイティブに照準を合わせてフォーカスすることを毎日繰り返しているので、その視点を持たない人とはあきらかにセレクトする力もチョイスする力もフォーカスする力も構成する力も異なる。異なることが価値であるならば、それをおぼろげに認識している人と確実に自分のビジョンとして認識下にある人とのコミュニケーションは難しく、多くのスタッフで同じ目標のクリエイティビティーを目指す時はこの誤差がかなり障壁になる。
 で、音素材ということになると、色や形も趣味趣向があり「こうであるべき」「こうであればいい」「こうであって欲しい」というベクトルを整理するのは難しいのですが、音も同じ。ただ、色よりカタチより論理的な要素が少ない分、感覚や時代性や他のエレメントとの整合性がマッチしていないと音はノイズになり、マッチしているとこれほど強いファクターはない。もっともっと音にはこだわり素材を集めなければいけないが、いつもいつもつけ刃にチョイスしてしまう傾向にあります。これではダメ。ひと昔に比べれば音をクリエイトするPCの環境は圧倒的に完備されたのに、自分自身が素材にたよるという安易な方法の慣れてしまっているので全体のクオリティーが上がらないのだろう。しかし、音はほんとに大切です。