「ミスターブレイン」という切り口。

 昨晩から始まった木村拓哉さんの新番組「Mr.BRAIN」。テレビプログラムがシフトチェンジし時間帯別の広告料金がよりシビアになっていると言われている今日この頃、視聴率という非常におぼろげな価値観を伝わる力の指標にしなくてはいけないメディアの今最新のアプローチがたぶんこれだろうと思いながら物語の第1回目を追う。そのキャストもさることながら、さすがの部分はその場面場面に多く登場している。あれだけの爆発シーンをよく街中で撮影したものです。あれはかなり思い切った挑戦であり、頭の固い人達が苦肉の判断した成果だろう。テレビ番組であの爆発シーンは賞賛に値すると思う。松山君の「L」で飛行機をどこ海外で爆発させていたが、あれは完全に配給が海外だったからあれぐらいは当然。しかし、今回の街中での1台の車の爆発と5台の車の衝突はかなり思い切ったシーンだったと思う。「GOEMON」のように全てのその系統のシーンをCGで逃げるのはある意味アニメチックで安易ですが、海外のテレビシリーズのような非常に規模としては小さかったがよい導入シーンでした。例えば銀座で「ダイハード3」レベルの爆発シーンをしたら、それは最高の素晴らしいクリエイト。しかし、そこまで日本人は映画エンターテイメントに対して期待していない。あくまでも軸足は「おくりびと」路線だろう。
 で、「HERO」の方程式と「ガリレオ」のニュアンスで物語は進行していく。が、キャスト面でかなり思い切った挑戦が3点気になる。やはり、テレビプログラムだとは言え、物語の密度やディテールを固まるのは役者であるから、爆笑問題田中氏と木下ゆっきーなちゃんとトータス松本氏はミスキャスト。では、木村拓哉さんの対面には誰がいた?となると、「華麗なる一族」の北大路欣也さん的が不在だった。それはいずれ・・・なのかもしれないが、第2回目を期待したい。しかし、予告で観たガクト氏には無理ある。ガクト氏はアンソニー・ホプキンスのつもりでたぶん拘束服を着用したと思うが、あれは、ご自身のステージのネタとしてやればよかったレベルだし、たぶんおそらく演技と存在感には期待できないだろう。あれは、それこそ松山ケンイチ氏か窪塚洋介氏か三上博氏ぐらいでないと・・・、荷が重い。
 物語が進み、高島正伸氏が登場してきた瞬間、「たぶんこの人が犯人だろう。」という流れだったのであのダイニングメッセージも、丸坊主掲示の伏線も物語を厚くできていた。という意味で、今回の北大路欣也さんは高島正伸氏だったわけですが、リアリティー的に北大路欣也が10だとすると、高島正伸氏は6ぐらいはあったのでなんとか第1話が完結したという感じだろう。最後の仕上げを見たこのプロジェクトの上の立場の人もたぶん、実感として6~7ぐらいだったのではないだろうか。
 ただ、「脳科学」を主人公として語るには木村拓哉さんはアカデミックなフィーリングが少し足りないと感じてしまったが、それはそれこそ視聴率と相殺して仕方なかったのだろう。確かにテレビの中で脳を語っている人にアカデミックな人はいない。右脳と左脳があるということだけでも、この番組を通じて理解できて、その話題が浸透して「見える人」が増えれば、この番組の意義・価値はあるだろうし。「人間は言葉でうそをつけても脳はうそをつけない。」というセリフが印象的でしたが、あの大袈裟なfMRIでも実際あれだけ明確な反応は無理だろう。が、物語中の疑問を脳へのベクトルに巧みに変えている手腕はこの作家さんの技術だろう。少なくとも、第2話が楽しみ。まだどんな展開になるか未知数ですが、犯人役に工藤静香さんが登場したらこの番組のテンションはかなりのものだろうと拍手拍手であるが・・・。