アニマルスピリットという感覚。

 「もし血気(アニマルスピリッツ)が鈍り、自生的な楽観に挫け、数学的期待値以外に我々が頼るべきものがなくなれば、企業は衰え、死滅するであろう」。という言葉がある。これは、経済学者、ジャーナリスト、思想家であるジョン・メイナード・ケインズが一般理論で「アニマルスピリッツ」という用語を使ったとき、それを説明するパラグラフのむすびとして書いた言葉らしい。(~日経新聞より抜粋~)なかなかの真理に近い言葉であり質量も大きい。これは人間の本能の部分と進化してきた経済体系の関係性を分析するための手法だと思う。そもそも、「安心・信頼」とは何なのか?普遍の「公平さ」とは?そもそもの部分で起源から辿る「貨幣錯覚」とは?など非常に興味深いテーマを投げ、それに対する答があるだろうG・A・アカロフ、R・Jシラー著の「アニマルスピリッツ」。この書籍はかなりチェックである。

 この記事の末尾に「物語とはビジョンの源泉である。著者らによれば、いま経済学者が集うあらゆるところでビジョンと解答が模索されており、本書はそうした解答を捻出するための背景となる物語だという。日本の答えを求める血気を持って本書が読まれて欲しい。」とメッセージがある。血気という語感からプラスとマイナスのイメージがあるが、これも引いては深い部分で「日本のそれ」なのである。ノーベル経済学賞を受賞している方の論述だからというわけではなく、何回も何回も「血気」という言葉について掘り下げ、掘り上げていくと、いったいどこに辿りつくのだろう?その物語にこそそのディテールにこそ真実があるだろうけれど、人間である前に動物であること、生物であることを忘れないで、改めて人間の経済の歴史が語られていることをこの書籍には期待しています。

 脳幹の外側にそれを覆うように進化してきた2層の臓器の意義へもアプローチしているのだろうか?何はともあれ、経済のことよりも、ノーベル経済学賞のことよりも、アニマルがどこから来てどこへ行くのかの羅針が見えればこの書籍の存在価値はあると思います。書籍を読むというアクションにもたぶん血気が必要なんだろう。