映画「ルーキーズ」84.2億円。

 今期(2009年)に公開されたテレビ局制作の映画の興行成績が発表された。第一位は「ルーキーズ」で興行成績がなんと84.2億円との発表。これが映画会社や洋画のジャンルになるとどうなるのだろう?2008年の結果としては、「崖の上のポニョ:155億」「花より男子ファイナル:77.5億」「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国:57.1億」「レッドクリフPart1:50.5億」「容疑者Xの献身:49.2億」となっているわけですから、まだ、2009年のテレビ局制作以外の邦画・洋画の状況は分りませんが、「ルーキーズ」の84.2億円は大きな数字だと思います。で、その系列で第2位が「ごくせん」、第3位が「アマルフィー」となっているのですが、この状況はいかなものかと。ヒットの原動力は視聴率の競争で培った番組作りの手法だとのことですが、さてこれもいかなものか2。テレビの延長に映画があること自体、映画に何を求めているというアプローチが完全にシフトしている感覚。テレビ関係者はテレビの存在感がメディアとして揺らいだ結果、そのベクトルを映画に向けてテレビのダイジェスト版を映画にしているように思える。これも時代の流れであると言ってしまえばそれまでですが、それでもこの現状はいかなものか3。

 映画に求められているものは「芸術性」よりも、「観客が求めているもの」を徹底して優先することらしい。ふ~んという感じ。これが映画作りのセオリーになり、次から次へと「花より男子」「ごくせん」「アマルイフィー」のような映画になれば、もしかすると映画表現とはの部分さえ根底から変わりつつあるのかなと感じています。「テレビ番組」と「映画」は違う質感が欲しいの(そもそも違うモノ)に、ただただ、視聴率を興行成績に変えるための「サラリーマン映画」のオンパレード。ただ、映画「ルーキーズ」に限り、映画は映画館で観るつもりはありませんが、DVDではチェックしようと思っています。他の映画に関してはテレビでさえスルーしているので、映画館でもDVDでもスルー。期待度が0以下なだけに、何かのきかっけで観ることがあれば、0ぐらいにはなるかもしれないが、0を期待してDVDを借りる「何かのきっかけ」ってそうないない。つまり、永久に観ることのない作品群。しかし、84.2億円が回収されているこの市場は、さてさて、いかなものか・・・4。

 ただ、「芸術性の追求よりも観客の満足度優先」としても、このフレーズに隠された意味は意外と深い。かなりかなり、この観客としている皆様の満足の度合が、「芸術」という言葉と対極にあってもいいと考えているということありきの言葉である。では、満足度の中身は何?この現状が何を意味しているかについて深く考える必要はなく、この事実だけをどう取り込むかという部分にフォーカスすればそれでこのことは洞察・分析・リサーチしなくともいいことなのかもしれませんが、映画が「芸術性」から離れていっていいと言ってしまうことだけが腑に落ちない。つまり、口の中には一旦入れるけど飲み込めず体内の臓器には落としたくないという感覚。味わう前に吐き捨てるのも食わず嫌いかもしれないが、色や形や作り方を見れば料理って分らない?ってお話。でもでも、食文化がシフトしているなら、この国のベクトルがシフトしていなるなら、それはそれで仕方のないお話なのかもしれません。

 で、映画関係者はどう思っているか?「やがて飽きる時が来る。空疎な作品を作って観客を失望させると、中長期的には映画市場全体を縮小させてしまう。」とイエローカードなコメントも新聞の紙面には存在することも事実。時代のスピード感が加速するということは、薄い新しいボードをたくさん次から次へと並べるイメージ。まるで日本の家のようです。とりあえず安く手身近に住めればいいがライフスタイルとして定着しているから、暮らしの質感が薄い。もっと、どっしりとした質感のある分厚い作品を360度回転していつまでも時代を超えて鑑賞できるような映画が私は好き。ペラペッラな原作・俳優・監督らがドミノのように並んでいる。一番先頭のドミノを誰かがつつくまでどこまで並べるんだい!って感じ。