農業のノウハウは深い。

 テレビ番組でパイナップルを育てようというプログラムを観た。そのプログラムは昨年の5月からすでにスタートしているプログラムで結果この夏にパイナップルが実り美味しく頂くという番組だったのですが、観る側からするとたった1時間の番組の中の40分程度の映像なのですが、これに関わった時間と費用はとてつもなく大きいと感じ、それ以上にその映像から伝わってくるリアリティーの質量たるや、政権交代についてしたり顔の専門家(何の!?)のコメントで潰される1時間や適当なグルメ料理を単価の安い芸能人たちがワサワサと食べて適当なコメントを並べているだけの1時間とは明らかに質量が違う。というか違う質量を感じた。つまり、テレビの中の情報が第2次的な情報であるとして、それを観る側がどう価値を感じるか(楽しんだり有益だったりと感じること)については、やはり、このディテール感というか質量の違いがそれに関わった(テレビ局関連の人やそれをスポンサードしている企業)方たちの「見えているか見えていないか・・・」の違いになり、引いては企業イメージやテレビ局の雌雄を決するような気がしていました。

 で、パイナップルってやはり南国のフルーツなので、成熟するまでにそれを育てる気温(室温)は15度をキープしなければいけない。そして、その環境を作りながら、土も南国の赤土を使用する。そして、苗を植える。ここからがパイナップルづくりの真骨頂である。まず、生育が芳しくないということから、剪定を吟味する。葉の色が調子が悪いというこから、オリジナルの肥料を作成する。日光が足りないのではないかということから、白いシートを敷き、土の温度を下げないために黒いビニールを敷く。さらに、発芽を促進するために、ジャガイモの新芽から出されているというなんとかなんとかというガスをパイナップルに吸収させるために、新芽の出かけたジャガイモを苗のそばにちりばめる。このノウハウは凄まじい。たった40分程度の番組の中、パイナップルを育てようという目的のために、ここまでするのか・・・。そして、小ぶりではあるが、ひとつの実が成熟し無事収穫。そして、包丁が入れられ、タレントが食べる。この場面でタレントが発する「美味しい」は間違いなく本物である。グルメ番組の安直な「美味しい」とは明らかな言葉の質量が異なる。ほんとに美味しいだろうと伝わった感じがなんとも素敵なテレビを観ている40分間でした。

 職を失った人たちが安易に農業に携わろうとしているらしいですが、この農業の深さが見えているでしょうか。こんな苦労してこれだけのノウハウが蓄積されて1個のパイナップルが実っていると思うと、スーパーで見かける野菜や果物が輝いて見えてきます。うん、農業って深いです。