買いたたきされない会社の3つの戦略。

 中経出版の書籍広告より抜粋。「取引先や発注元の過酷な「買いたたき」から御社を救う一冊!「買いたたかれない会社の3つの戦略:西田順生著:1,575円(税込)」 いま、中小企業を苦しめている買いたたき。ただでさえ苦しい・・・でも、応じないと、既存の仕事まで引き揚げられかねない・・・。この底なし沼から脱出するにはどうすればいいのでしょうか?答えは「安売りをしない」「科学的に原価を下げる」「販売数量を増やす」という3つの戦略を、御社が確実に実行できるかどうかにかかっています。言うのは簡単。でも、なかなかできない。その効果的なやり方、そっと教えます。」

 確かにこれだけ広告面に魅力的な文脈が記載されていて、根本的な解決方法がこの書籍の中にあり、それを実行することで社内の業務改善につながり、本質を変えられるようなヒントを発見することができればこの¥1,575(税込)は安い。それにこの著者が1回¥20,000で展開しているセミナーを受ければさらにその真髄に触れることができるのなら、この¥20,000も安い。が、少なくともこの広告に記載されている言葉の裏には「あたりまえのことをあたりまえにやっていてはダメですから、私の書いたこの書籍の中にあるヒントのヒントに出会い、自らも経営者や社員の視点でこの3つの戦略に取り組んでひとつでも多く成果を上げてください。そして、もしよろしければ私のセミナーに来ていただき具体例を拝聴いただければその具体性はより身近なモノになり、御社の業務を苦しめている根本的な買いたたきを逃れる体質になるかもしれません・・・」と受けてしまう。

 たとえば、「安売りしない」と簡単に言いますが、安売りしなくてもお仕事がいただければ誰もしない。以前にこのテイのお話がある会議で議題として出された時、その中のある経営者の方がこう言っていた。地方が自立を考える時、大企業との様々な根本的な格差がありますが、その中でも一番根本的な部分は「ネットワーク力の微弱性」だと言っておられたのが思い出されます。すべてはすべてと深く関連づけられて今があり、原因と結果の連鎖であることは承知の事実なのですが、それでも、問題解決・現状改善のためにこの言葉はとても有効だと思えた

 つまり、ネットワークがないことで適正価格が不明になる。流通コストや人件費などの目に見える価格設定の内訳以外に実は適正価格を設定するモノサシの微弱性がこれらの上から下への買いたたき感覚になっている。誰しも¥1,000のモノを¥800で売りたいとは思わないがそうしなければ価格競争に勝てない商品だと思い込んでいるからだと。ならば、¥200下げれば売れるのか?どこからこの¥200という設定値が出されたのか?このことを科学的に情報社会的に算出しないと次の瞬間この¥200は¥300に変動してしまう。商品力のある会社であれば、逆の発想をしている今¥1,000で売っているモノの商品の品質を上げてなんとか企業努力して¥1,200で買ってもられるような商品を作ろう、サービスの本質を市場を踏まえしっかりと背景の理由のある¥1,200の商品を開発しようと努力していると思います。それが、大きな組織や大企業では予算も大きいがリスクも大きい。なかなか一人の決断や少ない予算で動けない本質があります。しかし、大きなコストやリスクを承知に開発されたクオリティーの高い商品はレスポンスも大きい。これらのことが都市圏やビックネームの企業の中で起こっていることを、中小企業はどのように連携して取り組めばいいのだろう?上とか下とかではなく、独自の情報ネットワーク力があれば、商品・サービスの本質や価格設定を見誤ることはないだろうと思います。

 しかし、パイが小さければ拡張性も訴求力も小さい。このジレンマをさてこの書籍は解決してくれる?「科学的な原価の検討」「販売数量を増やす具体例」これらがあてはまる器の絶対数はそれほど多くないように思えた。

 で、考える。この書籍は「買いなのか否か?」。つまり、この書籍(商品)はこの3つの戦略上にある商品であり、広告に上記のような文脈を並べそのことにリアリティーを付加しているのでしょう。WEBと書籍の微妙なバランスをコントロールできている個人・企業・団体はそういない。つまり、WEBは完全にターゲットが散るからである。書籍は絞れる。この「散ると絞るの関係」も踏まえると、あとは、もう、何をどうしたいかという個人レベルのポテンシャルが決め手になるような気がします。が、そんなに答はシンプルではない。つまり、複雑な不景気の仕組みにどう向き合うのか、これを利用している人は利用して存在価値を示しているはず、となれば、買いたたかれる原因が他にもあるかもしれないし・・・。