だから、新書を読みなさい、か。

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 たぶん、この著者とはかなり気が合うことだろう。昨日夕方に購入して3時間で精読できた。この中にちりばめられた言葉のひとつひとつが身体の真ん中の部分でシンクロできる感覚。これはなかなか最近でいうと貴重な一冊です。この書籍は総括すると「情報を逆張り」してインプットすることで情報の荒海におぼれない水泳技術を養いましょう!というコンセプトであり、非常に「今」が記述されている。とはいえ、古い情報を捨てようというわけではなく、ちゃんと価値ある情報はリスペクトしている。が、やはり、書籍に関わる人であり、これも、この書籍の全体の構想上の便宜上の結論かもしれないが、WEBサイトの検索機能をしっかりと分析し、この方の言葉でしっかりと洞察している。この部分もとても共感できた。また、書籍文化の中においても「ベストセラー」とは何だろう?という分析を展開されている。確かに、私もベストセラーはあまり読む機会はなく、いつも、書籍の一番目立つところに置いてあるそれを観て、「ああ、10年後覚えていたらゆっくり読もう。」とスルーする。そして、35歳の頃にそう思ったであろう書籍を書店で探してみてもWEBで検索してもすでに絶版になっていることがあり、古本屋で探すほどその存在に興味はなく、そのままになることもしばしば。だから、ある一定期間「想い」を熟成させることは非常に意味があるということになる。この部分もこの著者と同感だった。そして、何かの書籍に書かれていた言葉で「家は借りて住め、本は買って読め。」という言葉が好きで、家については転々としているが、必ず、本は買うことで自分の一部になるような、それは本能の部分なのかもしれないし、精神衛生上の能力かもしれないが、ほぼ間違いなく借りた本は読まない。つまり、「READ」と「RESEARCH」は違うということでしょう。

 で、新書をあるテーマで3冊同時に買って読めとこの著者は言っているのですが、それは、ひとつのアプローチとしてやってみる価値はありそうですが、そんな乱暴な読み方はしたくないのが本心である。短い尺の目的のために大切な時間を使って本を読んでいるわけではないので、このやりかたはたぶんこの書籍の著者のように本に関わるプロのアプローチだと思いますね。が、これに近いことはやってなくもなく、私の仕事場や部屋には単行本、文庫本、新書、専門書、専門誌、図録、写真集などが一見なんの規則もなく棚に収まっている。カミさん曰く、「ちゃんと整理し~いや!どこに何があるか分らんやん!」と。が、分るのである。確かにしょもないメモをどこかにやってしまいイライラしながら探している時はカミさんの言葉が身体に突き刺さるのですが・・・。が、そんな風にほとんどの場合書籍は最後まで読むのですが、専門の学術書やソフトウエアのテキスト本などは完全に読み進め完了ではない種類の書籍なので自分のルールで本棚に置き読みたい時に読める距離を保つ。しかし、仕事場にも自分の部屋にも完全に途中まで読んで放置されている書籍はある。それがどのような内容でどこまで読んだかなど思い出せないぐらいなのですが、シオリを開けばそのページまで読んだことが一瞬で蘇る感覚が心地いいのでかなり複数の併読をすることが多い。だから、3冊限定で併読しろと言われても唯一この書籍の中で共感できなかった部分ではある。

 で、改めて「新書」というジャンルの書籍の効果を知ることができ、多くの共感を得られたこの書籍は2009年度のBOOKS-BEST20に入ってくるだろう。

 最後にこの書籍からの抜粋としていいフレーズがありましたので紹介します。他は買ってください。ネットを使えば情報はいくらでもという時代ですが、しかし、その一方でこんな現実があると著者は言っています。「自分の判断で情報を選び取り、自分の考えを作り上げることはとても難しくなっている。」と。いかに「情報の順張り」が偏ったアプローチかという警笛であり、否定か肯定かではなく、自分なりの軸を持ち、バランスのいい情報のインプットに心がけをしようと著者は言っているように思いますね。