ノーベル平和賞。

 ノーベル賞ほどその候補者や審査の過程が極秘モードなアワードはないらしい。受賞者への通知は公平に発表当日まで完全秘密厳守されている。つまり、審査委員会のあるノルウェーの国会が任命した5名の委員の皆様が「平和」というカテゴリーで「人類の幸福と平和に尽くした人物や団体」を密に観察して分析して結論を出しているらしい。その結果が今回のオバマ大統領。平和というカテゴリー上、政治的な判断が含まれていることとを考慮した場合に、いかに世界を公平にジャッジしているかという部分がどうも公開されていないことがノーベル賞の崇高さをさらに上げているのだろうことらしい。

 そこに言わば小国ならではの大国にマネできない「潔い発信力」があるという構図である。隣国同士が連携し友好を維持するために何が一番大切であるかを創始者のアルフレッド・ノーベルはその遺書に記している。それが北欧の知恵であり、世界がこの賞の意義に一目を置く偉大な価値と言える。「平和」を語ることは誰でもできるし、個人の価値観の中で「平和」のどの部分にフォーカスするかも人類の数だけの価値観の数があり、その中で最も意義があり、脈々と流れる継承されてきた遺産のような価値観をこれからも永劫に伝えるためにこの仕組みに異論を投げさせない「清く潔い真理」がこの仕組みの軸にあることは間違いない。それは複雑な縦と横の綾ではなく、一本の太いロープのようなイメージである。

 で、同様に「平和」の代償として流された多くの汗や血や涙を礎にそっと鎮座する象徴こそがこの価値観なのだろう。

 例えばこれが「平和」でなくとも同位であり、雲(クラウド概念)の中に存在する「清く潔い真理」も発信力を得るためにこのアプローチを借りることで複雑な思考も数多の煩悩も一本のロープに束ねることができるのだろう。そんなことを考えてしまう、オマバ大統領のノーベル平和賞でした。