ブラピに何言ってんの?

 タランティーノの映画の宣伝で日本にプラッド・ピットが来日していた。あごひげをのばして。で、セールスのためにテレビ番組に出てきた。もうそれだけでいいじゃんって感じなのに、その番組のMCはまだまともな質問を投げていた。タランティーノのテンションを見据えながらブラッド・ピットの顔は笑顔だけれど目が笑っていなかった。こんな番組のワンシーンで何が分かるってわけではないけれど、ブラッド・ピットだからどうしても見入ってしまいます。そつのない応えでやり過ごしながらも番組は進行していく。タランティーノは相変わらずのあのテンションのまま。

 で、MC以外のタレントが一言一言ブラッド・ピットに声をかけていく。あたりさわりのないことを言っておけばいいのに、相手はあのブラッド・ピットなんだから。日本の話題、一般的な映画の話題、この映画の話題、適当にお茶を濁すだけでいいじゃんん。なのに、そのタレントの一人がこう言った。「僕はブラッド・ピットさんの映画の中で一番、ファイト・クラブが好きです。」おおっ、いいところを切り込んだだなぁ~と思いきや、「僕は身体の筋肉が少したるんできたりするとファイトクラブを観て、筋肉トレーニングをして身体を引きしめているんです・・・。」それを通訳の人に聞いたブラッド・ピットは、失笑でノーコメント。だったように見えた。おいおい何を何をブラッド・ピットに言っているのですか?「ファイト・クラブ」のブラッド・ピットの筋肉のことなど、なぜなぜ、そこにフォーカスするのか?信じられない。まぁ、頭の悪いタレントが発した言葉だから何でも言葉にしたらいいってもんじゃないでしょう。それより、それを言わせた放送作家がいるはずだからそいつの無神経さがなんとも番組のそのタレントの価値を下げていることに一切気づいていないその空気とそのタレントの満足な表情がなんとも緩すぎる一瞬でした。日本人としてというか、ブラッド・ピットにそんなことをあの場面で聞いてしまう感性がなんともなんとも残念でした。D.フィンチャーも頭を抱えていることでしょう。

 もう少しもう少し、目に見えているモノの向こうにあるモノやその前後にあるモノをしかりと観て感想もしっかり純化してください。これはテレビでありマスメディアでありそこの画面の中にいるのはブラッド・ピットなんですから。野良犬が小さい飼い犬を見て「ワン」と吠えているレベルのコメントはなんとも寒く残念でした。

 もし、そのような機会が何かのミラクルで与えられたなら、私の質問は、「地下でビルのオーナーにボコボコにされ、メンバーに助けられながら椅子に座る時、やられすぎで足を組むこともできず、自分の手で足を持ち上げるシーンは、監督の演出ですか?それともご自身の経験から出た演技ですか?」と聞くでしょう。あのシーンは主人公の存在感とリアリティーを凝縮しているシーンだと思うのです。