筆洗器について。

 水彩画を描くことは小学生の美術の時間でもやってきたし、趣味で水彩画を描く時にも、いろいろな画材を使って水で絵の具を溶く手法はもっとも絵を描く時のポピュラーな方法です。ほとんどの方が得意不得意は別として水彩画を描いてこられた経験をお持ちだと思います。私も小学生の時、学校の指定で一般的な水彩絵の具と写生セット的なモノを買ってもらった時の感激というか感動は今でも忘れられません。何かとてつもない無限大の可能性を秘めた(小学校の頃はこんなに大義ではないですが・・・)道具が自分の手の中にあるという感激感でした。

 ピカピカの12色の水彩絵の具のケースを開けた時の感動たるや、子ども心にはかなり刺激的な感動でした。そこからいろいろな絵に興味を持ちいろいろな手法にトライして今日に至ってるわけですが、絵の具も透明タイプから不透明タイプ、水性から耐水性、顔料・染料についても自然系から化学系までいろいろな絵の具と絵の関係について試行錯誤してきました。こだわればこだわるほどに絵の具は自分の描きたい完成イメージの幅を広げてくれ、何を描くかという部分の心の部分についても深く絵を知れば知るほど絵の魅力に取りつかれ続けて早46年という状態です。

 で、絵の具や筆や描く素材(専用用紙やイラストボードやキャンバス関連)のお話はまたいずれということで、今回の「これじゃなきゃダメ!リスト」の第1弾としては「水彩画を描く時の筆洗器」についてのちょっとしたこだわりを紹介させていただきます。

 どんな絵の具でも混色をする場合と単色の濃淡で描画する場合でも、通常、画面に入れる色数と同じ筆を用意することはしません。常に描いた色が終われば筆を洗い、次の色を作ります。とは言え、最初に何色から入れようと思って描く人は少ないように、鮮やかな色から濁った色へ、もしくは、濃いトーンか淡いトーンへと色相・彩度・明度の3Dの相関を意識しながら色を決めていきます。その間に色の数だけ筆洗器で筆を洗います。小学生の頃のおきまりの筆洗器と言えばクリーム色のプラのケース。3個横にジョイントする奴。あれが最初に筆を洗う器だと教え与えられたので、ずっと学生(高校生まで)の頃は同じ系統の筆洗器でした。しかし、イラストを仕事にし始めて、いろいろな水彩絵の具を使い始めてからふと思ったのは、筆洗器の水が濁ると次の色がその影響を受けているのでは?と感じる瞬間がありました。特にアクリルやカラーインクで耐水性のタイプを使う場合はこれがかなり顕著に画面に反映されます。出したい色の彩度や濃淡はこれぐらいなで、パレットで色を作り画面に入れるのですが、なんとなく、思った色にならない。時に影響を受けやすい色の場合は、彩度やメイドに影響が出てくる。何故?そうだ白い筆洗器の水をよく見たら白濁している。ああ、これかと。

 そこから、一枚の水彩画を描く場合、少なくとも着色を始めると神経質なぐらいに水を交換します。混色用には濁りのない水をスポイトで入れて筆洗器の水も5~10分に一回交換します。濃い色の筆を洗う時は描画用の筆洗器とは別に大きめのバケツを置きそこで洗ってから筆の濁りを取り新しい色を作ります。この作業に一番最適な筆洗器とは?それは、透明のガラス素材の瓶です。で、これもいろいろな便をこれでもかってぐらいに試したのですが、ベストはコーヒーが入っていた瓶でした。色の濁りが一目瞭然なのは勿論のこと、一回に洗う筆の回数とそれに入れられる水の量がなんともマッチするのです。これを色の変換毎に水を入れ替えています。

 ということで、水彩画を描く時の筆洗器のベストはコーヒーの瓶なのでした。たぶん、いろいろな瓶を試しているので20個ぐらいの瓶が常に待機しております。