一同合意の二面性。

 マネージメントのコンサルタントが海外から日本の中小企業に訪れた時になんとも不思議な会議の進め方に驚くらしい。会議に問題提起がなされ対策が講じられる。それぞれの部署からの数値的な報告や現状についての考察があり、テーマに沿った情報が収集されて紙でデジタルで資料が配布される。問題点の規模に応じて、カテゴリーに応じてそれぞれの担当者から解決策がプレゼンテーションされる。そして、そのプランに対する意見や修正案が会議に出席している人達から述べられ、共感と反論の協議が展開する。ここまでの時間、それぞれ然るべき部署の人間が数時間ひとつの部屋に拘束されていわゆる「会議」が進行してくる。最終的に結論が出る場合と出ない場合があり、会議の多くはその場で結論が出ないことが多い。仮に多数決で審議したとしてもそれはあくまでも便宜上の一段階に過ぎない。最終結論ではない。そして、おどろくなかれ最終結論はトップが出している。これにはもうコンサルタントという立場ではない人間でも舌を巻く出来事。その一部始終を見ていたコンサルタントは言ったらしい。「この会社にコンサルタントは必要ありません。」と。その言葉を残して母国へ帰っていったというお話。

 このお話の摩訶不思議な部分はなぜこの会社がコンサルタントを雇おうとしたのかという部分で、そもそも、その結論を出すための会議はどのような内容だったのだろうか?という点である。このような現象はいたるところで起こっているはず。何も中小企業に限ったことではないだろうし、マネージメントが何故必要でどのような効果を齎すというのかを、いったい、誰がどんな情報を判断して導いたのか・・・。もう、この不思議な不思議なスパイラルが無限に続く。

 つまり、この場合の会議の「合意」とは便宜上であるということ。本質の部分で予定調和を得るために同じ方向を確認するための会議であり、結論を出すための時間ではないのである。まぁ、「人が3名以上集まれば答は出ない。」という言葉にもあるとおり、人の心の綾は難しい。まして、会議のテーマに相当の責任感がある場合、二面性は必要不可欠なのであろう。最も大切なことはそのテーマについて協議したという事実やプロセスが重要なのである。専門家でもない人間がネットで独自の分析力で収集した情報をどう活用するのか?まして、マネージメントのスキルもキャリアもない人間がマネゴトで正しい状況判断ができ、会議をナビゲートできるのか?年功序列で上から下へ流れる水ほど美味しくない水はない。

 しかし、なかなか聞けないことですが、どんな場面でも勇気を持って切り込みたいものです。What do you mean?と。