映画「グリーン・ゾーン」。

 マット・デイモンの映画「グリーン・ゾーン」を観た。グリーン・ゾーンとは「かつて連合国暫定当局があったバグダード市内10km²にわたる安全地帯のことである。イラク暫定政権下の正式名称は「インターナショナル・ゾーン」ではあるものの、「グリーン・ゾーン」の呼び名が一般的である。物語はアメリカ占領下のグリーン・ゾーンで起こるスリラーである。」と説明がオンラインにある。何が真実かについていろいろなテーマでいろいろなアプローチで小説に映画に描かれてきたが、やはり、この面子で組み上げられた映画作品だけにかなりの骨太な映画である。戦争映画はその時代時代の洞察をリアルに描いていることが多いと感じているので、なぜ、今、イラン・イラク戦争なのかという大きな視点とマット・デイモン演じる兵士の視点が戦争という存在をしっかりと2時間にスタイリッシュにドキュメントに描いている。いったい「アメリカ」とは何ものなのか?その策略や戦略の背景にある両国の深く黒い駆け引きの琴線に一瞬でも触れることができるガチな映画作品でした。

 勿論、主人公マット・デイモン以外にキーパーソンはたくさん登場してくるのですが、ちょっと、じんわりと魂に投げかけてこられる感じの心地良い重さの映画でした。いったい「愛国心」とは何なのでしょうという大きなテーマが物語の始点から終点までしっかりと流れている。キャメロンが広島の原爆を次に映画で描くらしいが、さて、それを観て日本人は何を感じるのだろう。そのタッチの映画をキャメロンに創らせてもいいのだろうか?時代劇やふわふわした恋愛映画程度の刺激で上書きできるようなマスターデータだからニーズののびしろが小さいのでしょうね。それに比べやはり、このテーマでこの描写でという映画を多くの協賛企業が賛同するような国の仕組みこそが言わばアメリカなのだとしたら、やはり、それはエネルギーの質が根本的に高いと言わざるを得ない。言語は国境を分けるが魂は人を真理で結ぶのだろうと思った映画でした。正義には正義の理由があるし、悪には悪の理由がある。が、それも所詮便宜上のひとつの区分けでしかない。そんなことよりも安易に黙殺してはいけないことに目を向けましょうとこの監督は言っているかもしれない。