映画「ソルト」と「ボックス」。

 まず、市原君の「ボックス」。原作の小説よりは映画の尺にコンパクトになり過ぎているので、登場人物の心情が十分に描けていなかったのが残念。そして、クライマックスのあの長回しは圧巻でしたが、それでも、右を左に変えただけで・・・というちょっと残念な結果だった。小説のあのギリギリ感だけはなんとかして映画に挿入して欲しかった。あのジムの風景を映像にして欲しかったという気持ちが残りました。それ以外は青春映画のテイが充分に展開されていたので楽しめました。ちょっと小説の「苦さ」が大阪の風景の中で独特の世界観として描かれているのでは・・・?という期待感があったのでその部分だけが残念な感じでした。しかしながら、映画「ボックス」は市原隼人の映画ですから、市原君が画面いっぱい元気に飛び跳ねる・カッコ悪く泣く・無邪気な笑顔を振りまく・・・ともう市原隼人なしではこの映画は成立しなかっただろうというほどの充実度でした。ただ、例のタレントボクサーが画面を数秒だけ汚したことがなんとも遺憾でした。これは何をさて置いても監督として削除するカットだったでしょうね。一気に覚める瞬間でした。映画の色の部分だったのかもしれないですが、あのカットは絶対に映画「ボックス」には必要なかった。というよりも入れたことで映画「ボックス」のクオリティーを下げた結果になっている。本人もボクシングを愛しているなら自嘲すべきでしたね。全くの汚点でした。残念。

 で、映画「ソルト」について。何も気になるところがない。などと素人がどうのこうのと言うスキなどどこにも0.1秒も無かったですね。別に荒を探す観方を常にしているわけではなく、とにかく映画と早くシンクロして楽しみたいと考えているのですが、一つでも気になる場面や音楽や物語の流れや役者の台詞・表情・アクションなどなどがそのシンクロ感を0に戻すことが多い。そんな映画選びもレッドカードは絶対に見ないし原作も読まない。しかし、これはいいなぁ~というのは徹底的に事前の情報を入れる。で、映画開始ドン!で、映画が終り、「もう、何も言うことはない。」となる映画は本当に少ない。が、これがまさにそれでした。特筆するとすれば物語のテンポがいい。よくこのたかが100分程度の中にこれだけの情報を適正にリズムよく描けるもだなぁ~と。ほんとに優れた映画作品は心の底から見終わったあとに震えますね。で、やはり、予定どおりにDVDは買いのようです。