ミナトとクシナ。

 いやいや、ここまで質量が厚いとは。いやいやここまで覚醒するとは。もう、何回読んでも、読めば読むほどの味わいが出てくる出てくる。ワンピースは別格として、ここまでいろいろな気持ちが込められているともうこれはマンガというジャンルを超えてひとつの法典のようです。これだけでこの内容が質量を帯びているわけではなにしても、ここまでの物語の展開力があるからこそと、ここでこの部分に触れるのかという部分。まさに圧巻です。

 確かにこれまで4代目はチラチラ出てきた、しかし、お母さんのことはノータッチだった。それはこの巻のための伏線!?そうとしか思えない。「弓と矢の法則」しかり、引けば引くほど矢は遠くに飛ぶのですね。しかし、ここまで引くか・・・、ここまでの初速とディスタンスか・・・と。もっともっと、岸本さんはクシナを描きたかったのかもしれないし、もしかすると、母と子という部分がこの物語の本丸なのかもしれない。それをここまで引っ張ってきて、一気に開放!その創作者としての計算というかプランというか耐久力や持久力が凄いのである。

 しかし、クシナママの力はたぶん計り知れないだろうに・・・。そして、ミナトのセンスや大きな心。いやいや、父と母はこうあれみたいな熱意がこの巻にはちりばめられてる。これはもう絶対にマンガではない。くだらないチープで安易でナンセンスな啓蒙書や監修・編集の緩いテキストやポテンシャルの低い方の工夫のない暇つぶしよりもこれはぜひ教育の場に応用・活用するべきである。別にマンガで日本の歴史のうんたらかんたらをひも解かなくてもいいじゃん。実際残っている史実や肖像画などを検証するだけで不明確なことまで捏造して盛り上がらずとも「今」と「これから」をどう生きるかとか、そのために誰の言葉を誰の声を聞けばいいかを考えるべき。もしかするとそれはアレックス(インコ)の声かもしれないし・・・、クジラの声かもしれない。