格闘する者に○(マル)@三浦しをん

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 うん、良書でしたね。今、書店に行くとチマチマしたゴシップ優先の小説が多い。メディアありきの小説にはどうも反応できない。仮に仮に良書だったとしても(まずそういう奇跡はない。)、入口が間違っているから読み終えた後の余韻などまずない。まして、1ページ読めばその著者の文体など明確である。まして、チャプターを見ればさらに明らか。だから、小説は書店でチラミが必須。

 で、三浦しをんさんのデビューである「格闘する者に○(マル)」は現在氾濫しているゴシップ小説群と比べて、その存在感は明らかに異なるモノ。間違いなく良書である。すでに、三浦しをんさんの作品はこれで4冊目。これは全く珍しいことであり、かなりミラクル。いわゆる現在の日本の作家の中でベストセラーを獲得しているゴシップ小説と比較してということですが、これらの小説は必ず序盤戦から「たるみ」が始まりこれはトラップかと期待するが、最後まで「たるみ」が続く。で、最後にその「たるみ」がプツリと切れて終わり。これで何を感じろというのだろうか。著者は悪くない、たぶん、編集者と出版社に原因があるからだろう。例の「KAGEROU」は100万円を頂いて読んでくださいというテイでも読まない。たぶん、あれは書籍というテイの拷問に近いと想定している。いいはずがないというか・・・。何がどう好転しようが意外が意外で終わらずかならず失速感と共に後悔が押し寄せてくるだろうから。それも時代性だと我慢することも耐久性がつくのかもしれないが、貴重な時間を心のトレーニングに浪費するつもりはない。だから、そう判断している。

 夏目漱石の臭いがする三浦しをんさんの作品、あと数冊あるらしい。これはタイミングをみて読みたいと思っていますね。