みんなの見積り大研究!

 「Web Designing」2月号の特集記事である。これは毎号とはいかないが気入った特集記事や技術的なお話で新しいことが取り上げられていたら買うようにしている専門書(マガジン)である。とにかくWEBデザインの世界は新しい技術がインターネット環境に連動して次から次へ新しい取り組みがされるので、全てを会得するとこはできないものの、全体的な流れや気になる技術やソフトについてはこうして頭にだけはSAVEする必要があります。中には海外の素敵な取り組みのWEBサイトがフォーカスされていて、実際の仕事のヒントやサインになることもあり、とてもいい雑誌だと思います。

 で、この号の中に「Webサイトの提案と見積りに関する現状を徹底調査 みんなの見積り大研究」という記事があったのでこの中に記述しているいくつかのポイントと実際自分自身が自社で取り組んでいるビジネススタイルの相違点などを少し。ちょっとビジネスモードのブログになります。

 まず、WEBサイト案件のお見積書を作成する際には3つのポイントがると書かれている。それは「成果」。つまり、クライアントさんがWEBサイトにどのような成果を求めているかを反映させる必要があると。そして、次が「物価基準」です。これは世間一般の物価基準値だけではなく、この業界の基準値も意識しなければいけないということ。物価が変動し上がる下がるを知らないければ、あさっての金額を算出してしまうことになるということ。そして、3つ目が「自分」だとのこと。「技術力」「デザイン力」「デレクション力」など制作に必要な力はどの程度?というわけである。この3つのポイントが崩れると、クライアントさんに迷惑をかけるばかりか自社の存続にさえ影響を及ぼしますよというお話でした。うんうん、確かにである。私は比較的若い(27歳ぐらい)頃からデザインやプレテ資料を作成することから、クライアントさんとの接点を得ることや、チームとして動く場合、イラストレーターさんやコピーライターさん、カメラマンさんと連携をして仕事をやらせていただく立場を頂いていたので、様々な案件ごとに金額の設定とデレクションの綾で苦労させていただけた。これが結果、今の自分を支えていることは確信があるが、ひとことでこれらのことは語れない。ただ、テーマや資料を頂きデザインを作成するなら、パソコンとイラレとフォトショップがあればできるが、企画して見積りをしてプレゼンをして、進行を管理して、印刷現場やサーバ会社と連携をとり、チーム内のスタッフの管理やデザインのクオリティーを一定以上に維持するのは、確かに20代の若造にはきつい仕事だった。しかし、楽しくもあったことも事実。組織の中でもデザインビジネスを展開しているという実感がありとても有意義でした。

 それが、時代を経て、WEBサイトの仕事になったとしても同じシンパシーで行けるという確証がある。そして、少なからず自負もある。決して黄金律などないが、もしあるとすれば、「何事もタフに突き詰め諦めない。」ということかもしれない。だから、見積りも同じであり、この雑誌に書かれていた全国のWEBサイトの現場、特に「ご提案とお見積り」の記事はとても利ある文脈でした。

 ちなみに、こんなWEBサイト、あなたならいくらで引き受ける?という事例がありました。それはこんな設定でした。「東京都内、新宿から15分の駅前に位置す美容室の新規開店。地元の駅前の新規店だから、人気を長く継続した仕組みがほしい。そして、地元にも根付いたお店を展開したい。サイトプランはトップページからリンクページへ約6ページ。スタッフが更新する公式ブログCMSも必須。特にギャラリーコーナーページは充実させたい。予約システムは不要。モバイルは必須。制作期間は約1ケ月。」とある。さぁ!いくらだ!となる。この雑誌の中に算出された見積りの数値はそれこそピンキリで、¥150,000~¥1,600,000となっている。それぞれに言い分はしっかりしているが、上記のポイントで言えばさてさてどこが適正値なのだろう?クライアントさんの予算枠もあるだろうし、相場ってものもある。私なら、概算ですが、サーバやドメインの管理を入れても30~40ぐらいだろう。これで、公開後の細かいメンテやサポートもできるはず。ただ、更新作業はボリュームによって別途となるだろう。ただ、デザインを整えて作って終わりがWEBサイトではないので、この部分、クライアントさんがどう評価してくださるかがポイントだと思っております。サーバを管理させていただく以上、長いおつきあいができないと本末転倒である。ただ、弊社の場合、印刷物や広告などのグラフィックデザインも展開しているし、時にはCM映像だけとか展示会用のDVDプレイヤー用コンテンツだけとかも展開しているので、WEBサイトだけをやって終わりというスタイルではない部分で、グラフィックコンテンツとの連動を加味して金額を算出しているという部分もアピールポイントであり競争能力かもしれない。WEB屋さんは結構DTPを見下している傾向・ニュアンスがあるが、WEBもDTPもそれぞれ奥は確実に間違いなく深いです。

 逆に、新人さんやミニマムなSOHOオフィスの方は案件を稼ぐために「希望価格での安売り」をされる。今の時代、これでは絶対に成立しない。これで瞬間風速は上がったとしても、ミニマムな予算でミニマムな展開をしながら、世の中一般の「成果」をのびしろとして期待はできない。これはかなりここまでWEBサイトが氾濫してくればいい意味でも悪い意味でも2極化していると言える。さて、確固たる提案力と技術力とデザイン力とデレクション力を駆使してガチで取り組めるのか、安易に安価なアプローチでクライアントさんからの希望をクリエイトできずに、そこでクリエイター生命を断たれるのか?デザインの現場もつまり激化しているのである。

 うんうん、なかなか、この大研究ネタ面白かった面白かった。