ブラインドタッチの効用。

 デザインの仕事を始めた時はまだ日本にMACは入っていなかった。2年目ぐらいに新宿で始めMACを知りその時お世話になっていた会社のご厚意で基本的なレクチャーをその新宿のお店で聞いた。そして、会社にMACがやってきて、現在に至る。マウスで図形を描くことを初めて知り、そのソフトウエア(イラストレーターの英語版)を体感する。ぎこちなくポインターが動き描く円や正方形は感動であった。それがDTPとの出会いになるが、仕事でDTPに取り組む以上、キーボードからの文字入力が必須となり、効率を上げるためには、キーボードを見ながら2~3本の指で文字を入力していてはダメだとその時感じた。そこから、ワープロを購入して文字を打ち始める。それまでにアナログのタイプライターをやっていたことで少しはアレルギーがない状態でのぞめた。が、変換のくせやキーボードの配列を指が覚え、頭に浮かんだ分脈をスムースに文字にするまでかなり時間が必要だった。

 そもそも、キーボードを見ずにキーを打つことが「ブラインドタッチ」だということを教えていただいたのは、同じく東京でお世話になっていた会社のデザインの師匠からである。ブラインドタッチっていいうのは、こうして基本の位置に右手と左手の人差し指を「J」と「F」に置いて、上下のキーをそれぞれ右手と左手が担当する。「H」と「G」のタテの列は任意で、みたいな。この基本ポジションが手に馴染むと右手でマウス、左手でキーボードという、ショートカットが多用できる。だから、どんなグラフィックソフトであれ、WEBソフトであれ、映像関連やドロー系のソフトであれ、右手のマウスと左手のキーボトを使う割合はほぼ同じぐらい。単純なオペレイトだったらキーボードのショートカットの方が多い。で、データやオペレイト中に入力が発生する時だけ、両手をキーボードにセットする。もうこのテイで仕事をしていると、マウスを使っている、キーボードを使っている感覚がほとんどなく、頭で思ったオペレイトや原稿を見ながらの文字入力はもう画面を見ているだけ。「なぜ、そんなに君のブログは文字が多いのか?そんだけ打てば疲れるだろう・・・。」とよく言われるが、ここまでこのブログを考えながら打って2分程度である。

 勉強する時はノートに鉛筆で文字を書き込みながら頭に記憶する。頭で分脈を想像しながら、紙面に写すという行為が勉強である。反復作業の繰り返しで記憶する書き出すのであり、これが、PCのプラットフォームに置き換えた場合、マウスとキーボードが意識の中で相当の割合を占めていたら、本来、アウトプットしなければいけないクリテイティブはその干渉を受け、淀む、というか、滞る。勉強するのに、これが鉛筆でこれがノートの紙面でって意識していたら勉強は捗らないはず。と同じ。

 で、MACとWINのキーボードやソフトウエアのショートカットには癖がある。また、変換するワープロにも癖がある。現在、右にMAC、左にWINを置いて基本この並びで仕事をしているが、これが、意外と右にWIN、左にMACを置くとなんかやりずらい。そもそも、私自身が左利きだったことも影響しているからかもしれないが、WINのマウスを左手で操作する時、左手で右クリックの方が、右手で右クリックよりも感覚的にスムースであり、左でマウスを操作して右手でテンキーを入力するよりも、右でマウスを操作して左手でテンキーを操作する方がスムースなのである。

 これらを会得できたことは、デザインの師匠であるマスターK氏から「ブラインドタッチ」を教えていただけたことが始点である。ちなみに、ブラインドタッチを会得するいろいろな方法がオンラインや書籍で紹介されているが、それらはすべてガチではない。本当にブラインドタッチを覚えたいなら、手元を布で隠して、小説を1冊分の文字を全てブラインドタッチで入力してください。近道は回り道なのである。