器用なことがネックに。

 「器用貧乏」という言葉がある。検索すると「なまじ器用であるために、あちこちに手を出し、どれも中途半端となって大成しないこと。また、器用なために他人から便利がられてこき使われ、自分ではいっこうに大成しないこと。」となっている。器用過ぎるだけにひとつの道を極められないというか、経験値が分散されてあれもこれもとやってしまえるためにビジネスとして成立しなくなったり、つい過分なことまで追求してしまい本分を置き去りにしてしまうタイプの人に適用される言葉。「器用」であることは決して悪いことでも生産性の低いことでもないのですが、「貧乏」という語感で表現されているようにあまり本人的にはいい感じにはならないという傾向があるようです。

 たぶん、この分岐点がプロとアマチュアの違いなのだろう。では、プロとは不器用なのか?という論法についてですが、言わば不器用なのかもしれないと思う。特にこの時代、ネットビジネスや進化・進歩するデバイスやPC機器を器用に使いこなす人よりも、ひとつのことを探究・追究して不器用だけれど秀でる感じがプロ像みたいな。プロ意識とは言わば不器用なタッチだけれども、ひとつのことに責任と自負を持ちお客様からのご依頼・ご希望に対して誠意を持って取り組む姿勢が基本。これは器用か不器用かとなると意外と不器用と捉える方がニュアンス的にマッチするようなイメージです。

 では、デザインの世界のお話だと、お客様からのデザインの希望要素を全てデザイン表現に反映させるためにしっかりヒアリングしてしっかりとコミュニケーションしてお客様のご意向をデザインにできる人と、自分の考えをベースに持ち、その上でお客様のご意向を反映させながら、そのご希望のニュアンスの中から今現在取り組んでいる案件に対して本当に価値があり必要とされるフィーリングをチョイスして自分のスタイルと組み合わせ独自のツールへ昇華させる人。この両者、さて、どちらがプロなのか?というお話。前者も後者もいずれもプロとして必要な取り組み方でありプロに必要なスキルやセンスやモチベーションには遠くないのですが、この両者のタイプ、パワーバランスが崩れるとビジネスとして成立しないばかりか、成果物としてのデザインのクオリティーにまで悪影響を及ぼす結果となる。

 「いいデザイン」を創ろうと試行錯誤した結果、マルチになり過ぎて平均点以下の成果物になる危険性を秘めている。つまり、器用な人は迷うのである。そして、不器用な人は迷わないのである。迷わない人は結果、とても強い。信じる者は救われる・・・的なニュアンスもなくはないのですが、でも、強い独自の創造性とは不器用なアプローチ、不器用な思考、不器用なスキルがほどよく機能している方がいい場合が多い。逆に器用な人は意味なく自負がありエゴがあり天狗感が漂ってしまう。そこが何よりも最適なコミュニケーションの障害になる。言動ひとつ、器用な人は上から目線になる。必要以上にへりくだる必要もなく、商売は50:50の鉄則の通り、100円のものを100円で売るでいいのですが、最後の最後、売り切御免ではのびしろにならないから、お客様に対して最後の最後で、100円を99円にする。パワーバランスの視点では51(お客様):49(クリエイター)に結果なるような流れが継続性を生むように感じています。なかなか、この時代、このニュアンスを維持するこは難しいが、変に専門知識だけを振りかざして器用に立ちまわることよりも、不器用でもいいので、誠意を持って精進邁進することが基本姿勢でいいのではないだろうかと思っています。

 デッサンのお話では、自分自身、ココイチのラインを出したい時は、鉛筆を左手に持ち替える。ココイチのラインを出すのに右手は器用過ぎるのである。しかし、ベースのラインは右手で構築して、最後のラインは左手でぎこちなくラインを出すとそれが自分の絵としてしっくりくる場合が多い。これはデッサンに限ったことでもないのでしょうけれど・・・。

comments

こんにちは。

お久しぶり。。。ですね。
結構、あいだ開いてしまいました。
お元気そうでなによりです。

ブログ、毎日書かれていてすごいです。
尊敬します〜。

またメールします〜。

  • ronin
  • 2011年04月20日 16:31

おひさでございます。
震災大変っすねぇ~!

なんとか腰と首のヘルニアを克服して
またまた無茶をやっております。

元気があればなんでもできますね。
ありがたやありがたや。

また、メールくださいませませ。

  • khuz
  • 2011年04月20日 17:12

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