他人をほめる人、けなす人。

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 草思社文庫から出ている125万部突破の大ベストセラー。著者はフランチェスコ・アルベローニという1929年生まれ。イタリアの著名な社会学者で、ミラノ現代語大学社会学教授。哲学、宗教、文学にも造詣が深く、イタリアきってのモラリストとして知られている。人間の本性にかかわる問題についての犀利(さいり)な発言は現代人の心性に強く訴え、著者のほとんどが各国に紹介されている。おもな著書に「恋愛論」、「エロティシズム」、「友情論」、「借りのある人、貸しのある人」などがあるそうです。

 少し抜粋すると「楽観的な人、悲観的な人」というチャプターがあるのですが、その中の一文。「オプティミスト(楽観主義者)はまた、困難をもより容易に乗り越えることができる。それは彼のスタンスが新たな解決にいっそう開かれているからであり、不利は条件を有利な条件にすみやかに転換できるからである。ペシミスト(悲観主義者)はまず困難を目ざとく見てとるが、それに怯え、すくんでしまう。情況を転換するにはちょっとファンタジーがあれば足りる場合が多いのに。」としている。まさにである。

 間違いなく、自分自身は「オプティミスト(楽観主義)」なので、よく他人にストレスを与えることが多いそうだが最後の最後で気にしていない。助言も多く頂くがこれもあまり心に響くことはない。ただ、そんな心の構造だが、自分が心からリスペクトしたある分野の達人やエキスパートには心を完全に奪われることが多い。これはつまり「自分勝手」なだけと批判されることになるのですが、それでもそれでも、楽観主義者は平気なのである。

 もうひとつ、「習慣を変えない人」というチャプターより抜粋。「自分のなかの一部を捨て去り、別の展望をもって世界を見ることができなければ、肉体的にも精神的にも老いていく。」としている。まさに同感である。この場合の「習慣」とは日常生活のディテールということではなく、精神的な意味での慣習の部分だろうし文化や歴史に対する依存度というか距離感の問題だろう。何も習慣を破壊して新しいリセット感を得ようとする振幅ではなく、固執することで視野が限定されると言いたいのだろう。うんうん、まさにである。

 この著書、これらのチャプターが50以上あり、¥650+消費税である。これは売れるは・・・。