「仁(JIN)」の結末。

 テレビドラマ「JIN」が終わった。結末は結果、時間の軸に吸いこまれた。輪廻転生とタイムスリップを江戸と平成を坂本龍馬と南方仁をしっかり結合させた上で次への方向性をしっかりと示していたように思える。人の死と生命についてこれだけガチで考えさせるシーンをふんだんに盛り込む意欲、それを超一流の配役が適材適所で演じている壮大な物語だったと思います。

 留意する点は2つあったような気がします。ひとつは「血」という視点。結果、仁先生は外科医ですから、血についてどう描くかということで人間本体の価値観とか生命の不思議を描くわけですが、さらに、人間の血液が持っている古来からの機能やペニシリンについての考察など、いかに、人間の生命が微妙なバランスで維持されているかということを江戸(穢土)というステージでしっかり描く。どうも幕末が舞台になる物語は政治や人間の概念や慣習のジレンマばかり描きフワフワしてしまう部分をしっかり江戸時代の人間の存在感を描いていたような気がします。それに、いろいろな坂本龍馬をテレビや映画で観るが、このドラマの坂本龍馬が一番強い人間に写りましたね。

 二つ目は「手紙」である。これはツールとしての手紙、歴史の史実としての手紙、心を刻印するための手紙と、江戸だから当然ですが、デジタルツールのないこの時代、文をしたため、「お慕い申しておりました。」となると、う~ん、強いと感じてしまう。紙に残す手紙、印画紙に残す写真という人間の慣習やツールとしての価値を改めて再認識してしまった。紙の上に墨でしたためる手紙こそ、実は、歴史を紡ぐ最高のツールだと。サーバに保存された無限のテキストは、さて、未来にどんな意義を継承するのだろうか・・・みたいな。

 しかし、まぁ、素晴らしい配役揃いで、他のテレビドラマが貧弱に思えたこのクールでした。多分、次は谷だろうから期待はできない。大河ドラマよりも「いい役者」という視点では充実し過ぎていましたね。たぶん、「仁(JIN)」と「江」を比較した場合、単純にそれだけで比較できないが、上野樹里さんと、綾瀬はるかさんの使い方の違いだったような、つまり、この二人の演技力というか女優さんとしてのポテンシャルの違いがこの2つのドラマの決定的な差のようにも感じました。

 いやいや、ひさびさ(実は、前回のJIN以来)に、テレビドラマを第1回目から最終回まで観てしまった。満足満足。