リトル・ピープルの時代。

 宇野常寛(うのつねひろ)という方の書籍で幻冬舎から出てい¥2,200の書籍。この書籍の紹介文・広告文にはこう書かれている。「おそらく2011年がどのような年であったかを記憶する歴史的な書物となるであろう。虚構と現実、内在と超越、複数と単数。著者は現代哲学とも交錯する諸問題を「正義なき時代に正義を描かざるを得ないその商業的要請に正面から応えたがゆえに、この新しい世界を深く、鋭く描き出すことに成功した。」平成仮面ライダーシリーズに見出す。もはやそこでは敵と味方、正義と悪の区別をつけることが困難になる。中略、われわれの外部に超越的に屹立する唯一の巨大な悪ではなく、内部に内在的に拡散する複数の卑小は悪を見つめ、われわれ一人一人がその小さな悪であることを認めること。だからこそ「ここではないどこか」へ救いを求めてはならない。あくまでも「いま、ここ」に立ち、内部にどこまでも潜り、唯一のものを多重化し、悪の意味を変えてしまわなければならない。さまざまな人々との関係によって発現する自分の中の複数の「私」を行肯定し、「虚構」としての想像力を縦横無尽に用い、単一の仮想現実を、現実と虚構が混在する複数の「拡張現実」へと押し広げ、「日常と非日常の境界」が曖昧に融解していこうとするこの現在の危機を生き抜かなければならない。中略、確かにそこには「貨幣と情報のネットワーク」が生み出した異形の可能性が満ちていた。しかし同時に、人をおそろしく幼稚で陳腐なものに退行させる兆しも芽生えていたと感じられもした。勿論、著者もその両義性について意識的であったろう。ただそれを無条件に称揚するだけでは許されないはずだ。」と締めくくっている。

 で、ただ、それを「虚構」として追いかけるのではなく、どこか「現実」サイドから見つめていきたいとも思う。まぁ、実際、この書籍を読んでもそこについて詳細を確認しても自分自身の想いの視点は変わらないだろう。しかし、非常に気になる一冊ではあるが、書籍よりもこの書評がテク的に上手い場合もあるから注意が必要でもある。