書くことが思いつかない・・・。

 幻冬舎の新書。「書くことが思いつかない人のための文章教室 もうネタには困らない!」というタイトルで毎日新聞専門編集委員コラムニストの近藤勝重さんという人の本。「「文章を書く」とは、記憶から体験を引き出して描写するということだ。自分にはそんな特別な経験はない、と思う人でも、うまい引き出し方さえわかれば書ける。くどくどと説明せず細部に目を凝らして書けば、真に迫る。たとえばさびしい気持ちなら、「さびしい」と書くな。さびしいを表す「物」を描写せよ すぐ使えるコツが満載。」となっている。¥819ですから何かヒントを探している人には適正な書籍かもしれない。

 しかし、記憶から体験を引き出して描写するとあるが、これでは書くことが思いつくだけで、言わば、描写についてはサポートされていない。まぁ、これは例えでしょうが「さびしい物」ってなんだ?それにこれは「コツ」かな?つまり、書くことが思いつかないと悩んでいる人はネタはあるが、描写の段階でフリーズしていることが多いのでは?文章が苦手っていう人でも書くネタは持っておられる場合が多い。でも、書けないのは描写する方法が分からないが正解。学生の頃の作文や論文を書いていた頃の体験の記憶を想い出し描写する前にフリーズしている。だから、この文章教室はネタを探すというアプローチとネタが絞れたらそれを文章化する教室である必要がある。

 書くことに対するモチベーションのレベルにはいろいろあるし、日常生活の中でのメモ、ツイッターレベルのつぶやきからブログレベルの文章量、そして、仕事における資料づくりの際の文章化、そして、論文としての文章化。どれも実は書くことが目的ではなく、伝えることが目的であるはず。無人島で砂浜に何かを書くわけじゃないのだから、伝えたいという気持ちがまず発生しているかを確認して、どのようなテンションで伝えるのか?提案なのか意見なのか激励なのか感想なのか自問自答なのか、ここを明確にしておかないと、例えネタを見つけて書いたとしてもほとんどやまびこレベルに等しい。