黒いボアの女

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 これはロートレックの「黒いボアの女」。ロートレックと言えば・・・のように代表作はたくさんあるが、いつだったか東京で展覧会に行った時の記憶で言えば、これが私の中の一番でした。ロートレックは今でいう広告デザイン的な絵画も手掛けていたので、画面構成を意識する作品や配色をクライアントに対して適正にしようとする傾向のある作品がどこかロートレックの代名詞になっているように思う。が、しかし、その根底にあった、リアリティーはもっともっと、深くスマートさとは無縁の世界の中で生きていた人なんじゃないかと勝手に妄想を膨らませることが、ロートレックの作品に対峙する時の気分である。

 で、この「黒いボアの女」はそのリアルがこれでもかというぐらい紙面に刻印されてる。その場所で筆を持つロートレックの魂がこのおよそ数時間の描画時間の中にしっかり刻まれた、そんな作品のように捉えています。これは、個人的な妄想の中でのお話なので、向学で由緒のある然るべき評論家とすれば、乱筆・乱文に他ならないが、ロートレックという画家の目ヂカラを強く感じる作品としてこの「黒いボアの女」が一番好き。