スペンド・シフト。

 「米国において、2007年末に始まる大不況によって、この2年間に13兆ドル相当の富が奪われた。米国の純資産の15%、年間GDP(国内総生産)にも匹敵する。しかも、ガソリンを始め資源価格は乱高下しており、自分の生活を守り切れない米国民が激増した。本書は、この暗い時代の米国の消費・生活変容の姿を「スペンド・シフト(消費支出変容)」という現象を通して描いている。ただ、案に相違して、この書籍の副題「希望をもたらす消費」が示唆するように、どこを開いても笑顔が溢れ、心弾ませるエピソードが詰まっている。たとえばデトロイト。1950年に180万人いた人口が今では90万人を割っている。しかも、4人に1人が失業するという衰退都市。それでも、その地に留まり、新たにレストランを開業する人がいて、それに親身になって協力する同業者たちがいる。米国10の州や都市を訪ねて、それぞれにおいてこれまでとは違った生活スタイルやビジネスモデルが育つ姿を紹介している。紹介する地域も多様ならビジネスも多様である。大学文化センター、都市農業、再生可能エネルギー、図書館、書店、リサイクル、住宅メーカー、地域通貨、カーシェア、そして、まだ名もないビジネス。今、米国においてあらためて見直されている「人と人との交流」。そこに呼びこまれる「ソーシャル・メディア」。その結果、生まれる「消費支出変容」がこの書籍の骨格である。話の内容は小企業に留まらない。大企業においても顧客との関係において同種の動きが生まれていることが報告されている。」と新聞広告は紹介している。

 まさに、この潮流は日本の現在の状態に酷似している。国力が日本の方が低いだけに、個人よりも組織やマスに依存していきた国民性だけに、その状況は国全体がデトロイト状態だろう。しかし、「スペンド・シフト」をいいカタチで飲み込み、その本質からこぼれるわずかな栄養分だけでもエネルギー源になるのではないだろうか。この書籍の存在を知り、ひとつふたつ考えてみるが、そこに確かに「暗い印象」はない。そもそも、無表情で何を考えているか分からない国民性なんだから、そろそろ正直に「実は何も考えていませんでした。」と言ってしまって、そこから起動した方がいいのではないか?まぁ、総理になったばかりだからそんなふわふわもしていられないでしょうし、目の前の大きな問題もあるわけですが、そもそも、大きな潮流が変容していることを、世の中と同じスピードでその高学歴な頭で思考と行動をシンクロさせて欲しいものです。思考より行動が先行してしまうタイプの人は大きな失敗もするが、学ぶことも多いと思いますね。

 で、戦争(敗戦)は言わば日本の一番大きな「失敗」だったことはしょうがない。原発の問題もいつまでも設計図ばかり確かめてないで、壊れたんだから正面から直すのか捨てるのかを決めてください。そんな簡単な問題ではないと言うでしょうが、そんなに難しい問題でもない。大切なは「今」。

 なぜなら、モノゴトは時間の経過と共に常に変容しているのだから。