北はこっち。

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 迷った時に方向を示してくれる羅針盤はありがたい。本来道具とはそういう存在である。例えば「そんなモノどんな時に使うんだよ!」と言っている人に対して、「そんなもの」を理解させるのは至難の技である。鶏と卵ではないが道具は誰が目的を明確にしたから開発されこの世の中に存在している。その意義に対して好奇心なのか価値観なのか分からないが何かベクトルがマッチしたから入手したいと考える。これが純粋な思考であり行動意図である。道具に対して価値を見いだせない人と見出した人との違いは「そんなもの」を軸にして大きく振幅する。それは例えローテクのツールであり、最先端のデジタルデバイスでありしかり。道具にはそれを開発した人やそれを求めた人の心が刻印され内包されている。それを知ることで自分自身の想像力を覚醒させ、手元に置くことでその覚醒をリアルな実感に変える。これがいわば現実というものだろう。

 で、デザインもこれにとても似ていて形あるモノからそうでないデジタル信号でありプログラムの集積であれ、ローテクのツールと酷似している。だから、創るという作業は目的意識以上に五感に支配されているべきだと考えている。北をただ示すこの方位磁石ひとつ、北を認識させくれるということが引いては何を意味しどんな価値があるのかののびしろを知恵として得ることが、この時代に最も必要な洞察点だと思います。