大往生したけりゃ医療とかかわるな!か・・・。

 たちまち15万部突破!はいいが、「死ぬのは「がん」に限る。ただし、治療はせずに。」などと言ってしまうと、癌で肉親や恋人・知人を亡くした人が遺憾に思うだろうに・・・と危惧する。これも人間性の部分で相対と絶対のお話だから、まぁ、この書籍の意義や意味は十人十色でいい。

 しかし、実は医療というビジネスの本丸の部分が日本の経済を根底から支えているという大前提をどう捉えるかでこの書籍の意義が変容する。医療の現場が国家の経済活動を担っている背景と「穏やかな死」に対する冒涜の間で微妙に揺れ動く天秤なのだろう。例えば、「出来る限り手を尽くす」とは「出来る限り苦しめる」としてしまうことが人道的にどうなの?ということが言わば「宗教観」と「科学観」の誤差というか、哲学的なジレンマに転用した場合、その真理は個体の数だけあるだろう。そもそも、癌細胞とは発見する技術が進化したから治療するというパータンになるだけで、人知の向こうにある存在ならそれを人間は運命と受け止めるだろう。この著者は「癌で死ぬのではなく、癌の治療で死ぬんだ。」と言いきっちゃっている。これが医療の現場のリアルで、それを日本の経済活動の中核が隠ぺいしていたとしたらそれはちょっと「悪」だろう。まぁ、「悪」か?「善」か?なんてスターウォーズになってしまうから、どうでもいいこととしても、人間の死については人間としてしっかり向き合う必要がある。

 で、「自分の死」とはどういう意味があるのかを生きている内に逆算するために「癌」があると捉えてくださいよ的な書籍なんだろう。まぁ、これを別段「衝撃の真実」なんて捉えずにサラリと認知できる人間になりたいものです。書店にあれば「買い」な一冊だろう。

 まぁ、何が「大往生」かみたいな個人差のところで振り幅は異なるが・・・。