芸大卒の就職率について。

 「芸術大学は就職に不利」というイメージがあるらしい。これは、芸術大学からのパンフレットの中にある「ご父兄の皆様へ」という冊子の戦略。確かに一般的にステレオタイプに考えるとこの論理は実しやかに思えるし、自分自身が芸大への入学を考えていたこともこの部分はかれこれ悩みの部分だった。しかし、その信憑性はいかに?確かにこの冊子が手元に届き読んだ「芸術大学を卒業していないご父兄」の皆様はこの論理を鵜呑みにするだろうし、このパンフレットに展開されている論理・文脈を自分自身のモノサシで推量することは不可能に近いだろう。価値感のない経験値のない分野に対して「不利」とか「有利」の判断はできるはずがない。仮説と想像と規範から判断するしかないだろうから、正確には判断できないが正解である。

 このパンフの論理は芸大生は「集団行動における意識の形成が優れている」と記載されている。まず、集団行動が嫌いであり独自の世界観を主張し過ぎるというイメージや先入観がある芸大生に対いて「集団行動における意識」とは?となる。また、芸大卒業生の就職率についても記載されているが、この内定率とはどのような基準で算出された確率か?恐らく大前提から便宜上のフレームの中で算出された物理定数だろうから、基点はあるようでないが正解。そこで、芸大生の4年間の過ごし方を紹介しているのですが、そのキャンパスライフにおける「コミュニケーション能力に長けている」「困難にあってもやりとげる知力と能力がある」「新しいことに常に挑戦し続けるチャレンジ精神」「集団を率いるリーダーシップがある」「チームワークを重視し協調性がある」「ストレスに対する耐性がある」「ビジネス感覚が強い」などという特性を列挙している。これが意外に自分自身の感覚の中にスムースに浸透する感覚があるから、不思議なのであるが、確かに!という感覚はある。

 で、これを経て芸大生は現代社会の荒波に向かって独自の世界観とコミュニケーション能力を持って社会を牽引する人材となる・・・あたりが落とし所だろう。

 さて、この論理、芸術大学を卒業していないご父兄の皆様にはどう映るだろう?きっと、手前味噌な勝手な一方的な論理にしか聞こえてこないような気がする。だって、そりゃそうでしょう、芸術大学を卒業していないのだから、コミュニケーション能力もチャレンジ精神もリーダーシップもストレスに対する耐性もビジネス感覚もないご父兄なんだから、理解もできなきゃ、感じることも無理。すると、つまり、何かというと、世の中の構造の人材の配分の比率だけの問題なのである。様々な能力を意識化にできる特性は芸術大学にはあるだろうが、それが社会に適正に機能するか否かはポテンシャル次第。芸術大学の関係者の人達もそれをちゃんとぶっちゃけないと・・・。ないと、誤解されますよね。

 芸術大学の卒業生は社会規範やビジネスモデルをどのように捉えているのか・・・などと決して総括することはできないが、まぁ、「地頭」が強いということだけは言及しても良さそうですね。恐らく、ストレスに対してもマクロにもミクロにも対応できる俯瞰力が持っていると思います。ただ、基本、私も含めて天の邪鬼であることから扱いにくい人間が本質にあるこも否めませんが、協調性もあることもリアル。つまり、何基準であれ独創性や思考における行動力は優れている人材が多いように思います。ただ、社会の規範との相性がどちらへ転ぶか・・・みたいなことでしょうか、結局。