あなたの心が冷めているから!?

 発売1ヶ月で3万部突破!というクロスメディア・パブからの書籍がある。そのタイトルは「特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あたなの心が冷えているからだ」。仕事、家族、友人、ご近所さんまで、あらゆる人間関係の課題を解決してくれる本。と。なかなか大袈裟な挑戦的な書籍である。つまり、この反響の裏付けとして、世の中的には特定の人としかうまく付き合えない人が多いですよ、それは、あなた自身の問題であり、その問題をこの書籍を読むことで少しでも改善してください!ぐらいのテイなのだろう。¥1,344とのことでちょっといい値段だから、新書のノリから少しは踏み込んでいるのかな?とも感じている。

 で、レビューらしき文脈には「面白さトップクラス。心理学についても多く学べました。」「他人も実は自分と同じ人間だと気づかされた。」「自分を変えてくれるような力を持った本でした。」「ユーモアに富んだ著者の人柄が感じられ、心が温まった。」と綴られている。そして、文末には「日本をもう一度温め直そう!」としている。そうかそうか、日本はいろいろあり諸問題進行注の折り、総じて「冷えているのか!」と。そこであなたの心は冷えているからもっとホットに!ということなんでしょうが、さてさて、この書籍は「買い」か否か。

 これはつまりネット社会における対人能力が問われて久しい折りに、ネットでのコミュニケーションと対人能力的な部分との細かいディテールの違いやニュアンスの違い、引いては機能的な違いについてこの著者がユーモアを交えて語っているのだろう・・・と推察する。

 さて、「特定の人意外にうまく付き合いたい。」と考える状況ってどのような状態か?それが、人生観やビジネスモデルと比較した場合、お互いのポテンシャルの問題なのか、そもそもの関係性における大前提の設定の違いなのかという多種多様な条件下でこの方程式がどこま通用するか?ということになるだろう。多かれ少なかれ人との関係で「うまく付き合いたい。」と考えない人はないはずだから、この「特定」というカテゴも緩い設定でアリ。そこで結局あたなの心が冷えているということは一体どのような仮説から紐解けばいいのだろう?となりますね。

 まぁ、気になるレベルでは10段階で6ぐらいかな。最近、書店にいくとマジでガチでこのテイの書籍が氾濫している。それほどこの現代混沌としているというひとつの指標になるというものの、この路線が海外で一部、反響を呼んでいるというのもなんとなく頭では理解できる。これがひとことで慣習だと言ってしまうには短絡的であるものの、どこまでの特定想定外の人とどこまでつきあいたいと願っているのかについてこの書籍の紐解き方が変わってくるだろうし、ネットで繋がっている人と全て潤滑なコミュニケーションをとりたいとは考えていないが、どこで境界線を引くか!?とか、どのようなニュアンスで「特定の人」という属性にするのか?という目安を確認することができればこの書籍の意義・価値は大きい。しかし、概論的なことをいくらユーモアを添えて語ってもポイントがズレてたら「なし」だし・・・。ここはしばらくこの書籍に対するフィーリングが熟成するまで保留かなと・・・。

 「特定の人とうまく付き合えているのは、あたなの心がホットだからだ」というタイトルの書籍なら気になるレベルは8ぐらいになるのだが・・・。いやはや、否定から入るのが最近のノリなのだろう。日本人はなんともはや「肯定」からダイブすることをしない特性がある・・・あたりを上手く演出・利用・適用しているしている。