ゆっくり。

 「ゆっくり生きれば、遠くまでいける」という順天堂大学医学部教授 小林弘幸著の書籍がある。人間の身体の健康は微妙なバランスの上で成立しているから「ゆっくり」というスピード感が具体的にどのようなリズムなのか「とにかく遅く」でも「適正なスピード」でも微妙にニュアンスが異なるから、この著で紐解かれているリズムには興味があります。

 「ガムをかむと理想的な自律神経バランスに。」「水は意識して飲むと効果が違う。」「食事の目的は、腸に刺激を与えるため。」「空を見上げるだけで、体は瞬時に変わる。」「一ヶ所だけ片付けると副交感神経がアップ。」「悩みは形にするだけで自律神経が違う。」「怒りは急激に交換神経を上げるので要注意。」などなどである。一見、どれかは試しているようなことばかりで、具体的な構造や機能や背景は理解していないものの、なんとなく気分転換になったりしたこともいくつかあるから、それがどうして?なのかを知るためにもこの書籍は「買い」かもしれない。

 「能率・効率・生産性主義の世界」=「迅速さ」のように考えてしまいがちだし、時には感情を表に出して自分自身を鼓舞することも大切だと思っているが、それはどうやら「ゆっくり」ベースがよりらしい。

 テニスの錦織君は大きな試合になればなるほど「冷静さ」を意識するらしい。試合中に汗をふく動作で「焦り」や「落胆」をリセットすると。私自身、一番心が落ち着くのは水面を見ている時である。決して、泳ぎたいとは思わない(泳げない)が、水面の動きや太陽の反射、色、臭い、風がそこにあるから、それらのディテールを見ているとなんとなくリズムがリセットできる感覚。逆にココイチで集中したい時は、水の中に手を入れてその臭いをかぐ。水温や水の湿りを五感で感じるとどこか神経系が落ち着き集中したいベクトルにフォーカスできる感覚がある。ローカルバストーナメントで、さぁ、今から5時間勝負だと言う時も必ず水に手を入れて手を濡らし、その臭いをかいでいた。水に臭いはあるのかないのかではなく、「水」というスイッチが神経を整えてくれる感覚。恐らく、風でも土でも汗でも血でもエレメントはなんでもいいのだろうが、水はかなりのトリガーになる。

 琵琶湖の風景を見ているとリズムが「ゆっくりモード」に調整される。ただただ、どんどんスピードをダウンさせればいいというニュアンスではないから、どこまで気持ちやベクトルやモチベーションをスローダウンさせるか試行錯誤が必要ですが、ここかな?というレンジが見えてくるとこれ、癖になりますね。