僕たちは知恵を身につけるべきだと思う

 「12歳で渡米し、UCバークレー、ハーバード、ケンブリッジ、コロンビア、東大、経営者・・・と歩んできた著者がたどり着いた答え。」というフレーズが紹介する森田正康さん著の書籍「僕たちは知恵を身につけるべきだと思う(1,659円(税込))」ということなんですが、さて現代の「知恵」をどう分析されているのだろうか?

 「上に行けばいくほど、知識は役に立たない」とのこと。便宜上の「上」がふわっとしているが、ここを明確に指摘して欲しい気もするがそれは書籍を買って・・・ということだろう。しかし、上に行く人、上を向いている人に知識が役に立たないという論法にはいったいどんなリアルが含有されているのだう。

 「目先の結果よりも、人との関係を続けることの方が重要」とは、目先の結果以外に何を求めようと言っているのだろう?目先の結果させ出せない人が人との関係性との重要性のバランスを整えられるはすがない。人との関係を続けることに重要性を見い出せなかったから目先の結果に右往左往しているのです。どこかに適正なターニングポイントがあれば・・・だが、人との関係をどう続けるかのディテールありきだから・・・とねじ曲がった解釈をしてしまいがちであり、この疑念を解消する論証はこの書籍にはあるのかな?

 「アイディア力とは、他と違うことを思いつく能力ではない」と。ここも非常に興味深いが、結局、場に出せる手持ちのカード枚数は決まっているのがゲームのルール。有効なカードを多く集めることが知識が豊富だという論法ならば、それは、アイディアというベクトルから離れていくだろう。他と違うことを明確にしなければ、それを能力でないと聞いたところで、分からないことが分からない状態ではないだろうか。仮にこの書籍をその状態の人が読み、「ああ、他と違うことに目線を配ろう」としても、なかなか、目線は自由であればあるほど、簡単にそのラインをエリアを変えることが難しい。いつでも変えることができますよという人ほど、その角度は狭いことが多い。逆に、一点集中型の人の方が、別のアングルへの新鮮さ加減が高いから、アイディアに昇格させる能力があるように思う。だから、この部分をしっかりと説明していただかなければ、切り口はこれでいいとしても、お茶を濁す程度の論理になります。猜疑・仮説でこの著者のなんたるかを分解はできないが、このフレーズをすでにチョイスしている段階で、期待もするが、疑心も多い。

 「過去に頼って生きているといずれ社会と対応できなくなる」というフレーズには、さすが、このキャリアの予感がする。また、このフレーズにおいても「過去」のディテール情報が欲しいのですが、それでも、絶対的な相対的な「過去」に対して「頼らないで」というメッセージはあらゆる方程式にシンクロしていること。で、「知恵」こそがこれからの時代を・・・と展開させている書籍だとしたら、緩い仮説・過程・空想・妄想でなく質量のある言葉がチョイスされているとしたら、この書籍はGOODだろう。

 が、さて、どうかな?東京のイキのいい出版社が「発売1ヶ月で2万部突破!」としたところで、このキャリアの著者だろうが、イキのいい出版社だろうが、読者は選べない時代。

 このキャリアで何を「知恵」としているのか?そこののびしろだけ、ちょっと興味あり。書店で並んでいたら、チラミチェック対象書籍ではありますね。いきなりオンラインで購入はない。