話す技術と聞く技術。

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 「全米70万部突破! ハーバード流交渉術の開発者が贈る究極技法『ハーバード流交渉術』で知られるハーバード・ネゴシエーション・プロジェクトの大ベストセラー作品がついに日本に登場です! アメリカでは1999年に刊行され、すでに70万部以上を売り上げたロング&ベストセラーです。今回はその刊行10周年を記念した第2版をベースに翻訳。トラブルを起こさないメールの書き方など最新事情をアップデートしました。序文は『ハーバード流交渉術』の著者ロジャー・フィッシャーが執筆しています。」

 「なぜ私たちは会話で失敗してしまうのか?私たちの日常には、「難しい会話」が溢れています。◎部下に解雇を通知する◎悪い人事評価のフィードバックをする◎見積書以上に費用が膨らむことをクライアントに説明する◎上司からの仕事の依頼を断る◎長年連れ添った恋人に別れ話を切り出す◎義理の親と育児の方針について話をする◎浮気をした配偶者との関係を修復する◎学校生活で問題を抱えた子供との話し合い……など」

 「なぜこれらの会話は「失敗」してしまうのでしょうか?ハーバード・ネゴシエーション・プロジェクトはその理由を探るべく数多の会話例を研究。すべての会話の根底にある1つの構造を発見しました。その研究から、私たちが会話で失敗するたった「3つ」の理由をお教えします。」

 「キーワードは、「思い込み」「感情」「自尊心」本書では、以下の3つの理由をどう克服するか、1冊かけて伝授します。◎何があったかをめぐる会話 何があったのか、どうあるべきかという点をめぐる意見の不一致。だれが正しく、だれが責められるべきで、だれが謝るべきなのか……という点についての議論。「私の認識が正しい」という主張のぶつけ合いになる。◎感情をめぐる会話 感情にまつわる問いかけを発し、それに答えようとするとき。自分の感じ方については正しくて、相手の感情は間違っているのか? 多くの人は「理性的に話そう」という誤りを犯し、むしろ感情的になってしまう。◎アイデンティティをめぐる会話 いまの会話は、自分にとって、自己イメージにとって、自尊心にとって、いかなる影響を及ぼすのか? この会話をこのまま進めると、自分が無能だと認める事になるのか? 誰かとの会話の最中に「私はどう思われているのか」という内なる会話が始まる。そして自尊心を守ろうと、身構えてしまう。これらの対立型の会話を乗り越え、より生産的な人間関係を築く方法をお教えします!」とまぁ、話すこと聞くことがこれほど実は大変なことだと意識下に置く、置かなければいけないのか?ということがこの書籍の存在価値でしょうね。そもそも、言語や慣習によってこれらの諸事情は千変万化ですから、ひとくくりで「3つの理由」としてしまうのはこの書籍の編集者の意図だろう。

 さて、どうするかこの書籍。チェックはしたが、英語圏での技術を翻訳されているわけだから若干のニュアンスが異なるはず。英語圏ではそうかもしれないが・・・みたいなことが序盤で連発するような構成だったらちょっと残念だし、ハーバードブランドだけで買う理由には弱いような気もする。そもそも、話す儀技術と聞く技術というテイで論理の基準を失えば文脈が破綻するのは当然。そこに先入観や自尊心などが組み合わされてくるとさらに複雑なバックラッシュになるだろう。

 話す機会や聞く機会ってのはそもそも「教えます」ということが難しいし、理想的な技術が例え記述されていたとしても、そのケースは結構稀だったりするとリアリティーに欠ける。より高い「話す技術」「聞く技術」は会得したいとは思っているが、さりとてそのベクトルとこの書籍の内容はシンクロするだろうか・・・と感じてしまった。しばらく保留かな・・・。