現体制で発展できず~と。

 ちょっと刺激的で芯を喰った記事がある。「習近平総書記をトップとする最高指導部が始動した中国は、胡錦涛前総書記が率いた10年間に成長した一方、政府の施策や不正に異議を唱える住民の抗議活動が相次ぐ。週刊誌の記事改ざんを巡ってもインターネットで当局への不満が渦巻く。民主化の必要性を説く芸術家のアイ・ウェイウェイ氏に中国の今後を聞いた。~胡時代をどう総括しますか?~2000年代初めは北京五輪を通じて中国が国際化し、言論の自由や民主化が進んでいくと期待していた。しかし、五輪は政府の宣伝にすぎず、市民参加型のイベントではなかった。08年の四川大地震では校舎倒壊で学生が5000人以上亡くなった事態などを隠ぺいした。進歩はなく、表現の自由はゼロだ。私の自宅周囲には15個の監視カメラがあり、電子メールなどは当局の監視下にある。こような社会統治のやり方は恐ろしく、文化大革命の時代のようだ。公正さや倫理観など社会を支えるものが崩壊している。~何が原因だと考えますか?~現在の政権は市民が選択したものではなく、密室での決定の結果にすぎないため、市民の支持を得ていない。司法の独立、選挙、言論の自由がすべて許されていない。絶対的な権力は必ず腐敗、堕落するものだ。元重慶市党委書記が起こした権力腐敗の問題は政治体制の構造に起因しており、氷山の一角だ。王立軍らの裁判は非公開で、真相は闇のまま。司法制度は欺瞞に満ち、正義を実現できていない。~習時代にどんな期待を持っていますか?~権力者に幻想や期待を抱いていない。しかし、今後10年で中国社会が自由に向かって走り出すと信じている。中国の現体制では持続可能な発展は実現できない。世界的な競争激化の中で中国が生き残るためには政治体制に変化が起きるはずだ。インターネットによって個人が自由に表現することが可能になり、伝統的な権力や政治構造を覆す可能が出てきた。中国では中流層は現体制から利益を得ており変革を導けない。ネットの広範囲な普及が原動力となって社会全体の変革が起こるのではないか。~反日デモをどう受けて止めている?~領土の争いは昔から多くの国で起きているが、その争いを国家全体の問題に引き上げて民族の感情に訴えることは異常事態で反動的な潮流だ。中国当局は通常デモを許すしておらず、反日デモは当局の暗黙の協力で実施されているのだろう・・・。」という記事を日本人としてどう捉えるか。非常にリアルな記事である。

 特筆するのは、「領土争い」の部分。人間の本質インターネットで変革に向かうとは考えにくいが、逆説的な意味で「突き抜けている人」「以上・以下になりえない人」「総括的に下層域の人」この3層がより明確になっていくだろうと思う。そして、このお話は中国だけではなく、勿論、日本でも起こっていること。その曲線がIQの分布に酷似し突き詰めれば突き詰めるほどその分布の座標軸に変化が起こっていないことに気がつくはず。結果、それらのモラルや倫理観や情報のディテールがインターネットで一定期間の拡販・覚醒を経て、何が創出されるのか?という視点だろう。「土地」を持っている民に貨幣価値制度が依存している以上、偏在する価値が時間軸を越えて心に突き刺さる矢になりえるのだろうか?という軸足で間違いないだろう。結局、地球の資源や表面積の陣取り合戦の歴史が脳幹に擦り込まれている悲劇だろう。

 ある仕事で中国をリサーチして半年が経つが、リサーチすればするほど、日本やアメリカ、ヨーロッパの経済・文化の歴史とシンクロしていることに気がつく。この混沌がどのような意義があるのかを捉えているアイ・ウェイウェイ氏のような人に真価を期待したい。ラーソンのような小説作品こそが、世界の心を震わせるのだから、まだまだ、期待はできるはず。

 新体制と言えば、日本も比類なき現実があるとして、「発展」の語感は「創造」なのか?「破壊」なのか?