ネットを活用したから!?

 いろいろな人の話を聞き、いろいろなツイター・SNS、そして、いろいろなメルマガに書かれている文脈の中に「ネットを活用したから売り上げが増大した!」という記述。この文面をその言葉通りに取り込むと「ネットを活用すると売り上げが上がる。」「ネットを活用するだけで何かマジックのように売り上げが上がるんだ。」と比較的大きな勘違いに繋がるパターンが多いような気がする。ネットを活用したことはリアルとしても、ネットは手段でありツールだから、それを使っただけで自社のサービスや商品の本質が上がるわけではない。従来のお店売りでは売り上げが停滞しているからネットショップを展開する。これは極自然な流れだとしても、ネットショップスタイルに過度の期待をすることは、これだけネットショップが百花繚乱な時代に絶対にひとり勝ちは難しいと思う・・・。と、モヤモヤしていると、コストもかけてネットショップを公開したけど、あまり効果や反応がなかったから「やぁ~めた」となるパターンが意外と多く、さらに、10年以上WEBサイトは公開しているが効果はないので、もう、新しい企画も、ましてや、リニューアルなどせずにこのまま・・・となっている人の特長は、ガチな本気モードが欠落している印象を受けます。

 しかし、よくよく考えてみれば、「ネットの展開に期待する。」が手法だけを整えて実態の部分が欠落していたと考えてみる必要もあるような気がする。恐らく思うに「ネットを活用したから売り上げを増大した!」人とは、別にネットがなくとも覚醒しただろうし、本末転倒の部分で言うと、そもそも、売り上げののびしろをポテンシャルとして持っていた人が、ネットに情報を公開して、ユーザーと繋がったことで、商品の魅力やディテールが伝導し従来のお店売りに等しい反応があっただけ。結果、売り上げが増大したんだろう。すべては逆転・逆流の発想のような感覚。

 デザインの仕事も同じような側面があり、デザインの仕事をするために、専門の学校を卒業して、真剣に実直にデザインを仕事として向き合っている人が、仕事が出来るかと言えばそうではない(そうではない場合が私の経験の中では多い。)。とはいえ、大手有名広告代理店に入ることが目標ならば、然るべき大学を経て入社すればいいが、それとデザインの仕事のベクトルはシンクロはしない。恐らくざくっとした印象だが、デザインという仕事は想像以上にベタでありガチだから。パソコン使ってソフトでさらさらっとドキュメントを創ってスマートに仕事が完結する・・・というテイではない。もっと、地道で時間の余裕もなく仕事のことだけを思考し続けるようなタイプで、何事にも貪欲にどこまでも貪欲に新鮮で魅力的で有益な情報をリサーチし続ける。リサーチし続けながら、試行錯誤と紆余曲折、失敗と完成を繰り返しがら、ゴリゴリに前に進める図太さが何よりも必要なのである。

 では、前述した「ネットを活用して売り上げを増大させた人。」は、どちらのタイプか?私はゴリゴリタイプだと思う。何もかもが計算通りにはいかないことは周知の上、トラブルや憤りやジレンマさえ想定内のプロセスだと、瞬時に立ち位置を変えながら、新しい立ち位置で新しいひらめきを適正にケースバイケースにひねり出せる人が、前に進むことができる世界が「ネットの世界」ではないかと・・・。

 「インターネットとデザインの関係性」については、また、別の機会にしっかり言及したいと思っていますが、ふと、そんなことを思いついたのでログっておきます。