かわいい江戸絵画。

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 人の感情・心の動きを画に写すというテーマの「かわいい江戸絵画展」というのが開催されているらしい。この「かわいい」という言葉で現代はどんな連想をするのだろう・・・という提起である。現代の「ゆるキャラ」ムーブメントもそれに関連しているだろうし、子どもやペットに対する「かわいい」も関連しているだろう。

 「かわいい」絵が描かれるようになったのは江戸時代からだそうで、文人画や浮世絵や大津絵などのカテゴリーで「健気なもの」「慈しみ」「おかしさ」などの人の感情、心の動きを読み取っているのだろう・・・と。かわいらしさを表現の技法に組み込むことは写実的なアプローチと比べ技術レベルは上かもしれない。

 で、現代のCGグラフィックのそれらは「かわいらしさ」の芯がどこかずれているように見える。プログラムや進化したツールで描かれた絵は一見、表現的に引き付けられる魅力があるよに見えるが、実は、心の動きを表現するという視点でズレテいるような。そもそもゲームやプログラムのグラフィックには人の心の動きを表現する必要がなかったのだろうか?技術的にそれらを再現するには何か大きな障害があったのだろうか?いや、ただ、創り手の心が微弱だったからだろうか・・・。ビックデータから何か指針を読みとりましょうというテイについても、心の不在がいつか技術力では解決できないような障害にならないことを願うばかり。

 技術や表現力の向こう側にある、心や魂が一枚の絵に宿る時、恐らくビックデータを凌駕するのだろう。いつまでもゴッホのひまわりが永遠唯一無二な存在でありつづけるように。江戸の粋を刻印した「かわいい江戸絵画」がいつまでも光を失わないように。