芸術思考は建設的。

 アメリカと日本の戦争の歴史に翻弄された人生を経て、現在、N.Y.でアーティストとして活躍している90歳の女性がテレビに登場しておられた。その方の人生経験のどの部分を切り取っても強烈なインパクトを受けたし、カメラの前で描いた「無題」というタイトルの水墨画にもその人生の凄まじさが一瞬で転写された作品だった。その方の師がアメリカの収容所でおっしゃた言葉が私の人生の支えだったと、そのお婆様はエネルギッシュで大きな笑顔と共に語っておられた。

 「どんな状況でも芸術は建設的で平和を呼ぶ~」的な言葉がその方の師匠の言葉だった。なるほどなるほど。戦争を知らない私はこの言葉の意味を充分に理解して共鳴することができないが、この言葉の裏にある芸術と人間の関係の密度を理解したいと強く感じた。平和と芸術の歴史のどこか一部に自分が今存在できていることを少しだけ実感しながら、建設的思考でこれからも在り続けたいと思います。