考えることと書くことは分ける。

 デザインの仕事ではアイディアやイメージを考えて創るという作業を、一連の流れで取り組んでいるが、文章を書くという作業は考える作業と書くという作業を分けなければいけない。時間に余裕がないからとか、考えながら書くという作業に慣れているからなど、という理由で文章を書くことはよくないのだ。それなりに文章になっているから問題ないだろうとか、書いてから推敲すればいいだろうという緩い気持ちでは本当の強い文章力は身につかないのだ。文章力の本質は、観察する、情報収集力する、構想する、書き出す、そして、訴求する魅力を装備するという5つの段階で構成されている。デザインの仕事で取り組んでいる作業工程でもある、この工程の3つ目までは苦ではないのだが、どうも「文章を書く」という工程を誤認していた。文章を書くことは楽しいので、慣れ親しんでいるようで実は支離滅裂で大切なルールや法則を無視して文章を書いていたのだ。考える時間と書く作業を分けることで文章が研磨され軸が太くなることを改めて知り、自分自身がいかに文章を「流して」いたかを自覚している。もしや、デザインの仕事も「慣れているから」という理由で「流して」いたとしたら、とんでもない間違った感覚だ。長年、デザインの仕事に取り組んできたのだからという奢りがあったのではないのかと、改めて反省し日々のルーティーンを再確認している。世の中の変化や自分自身の考え方や感じ方の変化を柔軟に引き込み、自分のデザインの仕事に適用しなければいけない作業だけに、「慣れているから」という気持ちの構造の中にある小さな穴が大きくなり、大切なアイディアやデザインの品質がその穴から漏れださないように意識を改めよう。

 直感的・感覚的であると同時に、緻密であり柔軟であることの大切さを早く頭と心の中に完全に定着させ馴染ませたい。その後、身体の中に取り込まれたデザイン的な思考と緻密な文章力が何を創出してくれるかが、とても楽しみだ。もう、「デザイン」のいい悪いは興味がない。興味があるのは「強いデザイン」だ。