絵の具のような語彙。

 あるアンケートで出版されている雑誌を日本とアメリカとイギリスで調査した時、語彙の数が日本の雑誌は英語圏の雑誌の6倍だった。なるほど語彙だけでも6倍。さらに、いろいろな造語や外来語が混合しながら文法も複雑な日本語。小学生の頃、12色の絵の具を箱を開けた時の感覚を想い出した。どの色を使ったら自分の想いどおりの絵が描けるか、心が高まるというよりも、12色の絵具をどのように使ったらいいのかと迷った。実際、絵の具の種類が多いことは、嬉しいことでなければならないのに、使い慣れていない段階では、まず迷いが生じるのだ。語彙も文法も同じ。多様な語彙は日本語を使って何かを記してきた先人達の知恵の結晶。迷っているのは正しく使っていないから。語彙や文法を絵の具のように使いこなしたいものだ。絵の具の種類が多いことが、美しい絵が描けるとことと直接関係はないかもしれないが、素材を選び、完成品を想像し、設計し、創作することにおいて、絵も文章も同じだ。