成功事例。

 「成功体験」「成功事例」「成功ノウハウ」「成功実例」を紹介している書籍は若い頃(20歳~30歳)はよく読んだ。勿論、成功したいから読んでいた。成功という状況が何かを知りたかったということが80%で、成功した人はどんな性分なのかを知りたいが20%ぐらいの割合だっただろうか。若い頃は比較的、日本の景気が良かったので「成功像」を読者に描かせる書籍の企画が的を得ていたのだろう。実際、メディアでも成功した人達が贅沢な家に住み贅沢な振る舞いに対して注目されていた時代。一方、最近のテレビを壮観すると、「グルメ関連」か「自給自足関連」が中心で、どうやら「セレブ」という人達を紹介する企画の価値は降下したようだ。私個人の私見だが、高級なバックや時計や車が成功のシンボルというよりも価値感の狂いのように捉えられている、「捻じれ」のような象徴として画面に映っているのだろう。「グルメ映像」なら、企業広告として充分成立しているし、テレビがインターネット化している事例として最適の内容だし、いろいろな企画を分析していると、実際インターネットに転用できそうな企画が多い。ただ、タレントだけはテレビが抱えているからそこをなんとか民間で用意しなければならないが、そこさえなんとかできれば「グルメ番組」は簡単に制作できるだろう。一方、「自給自足番組」もテレビ電波に流れやすい企画構造である。つまり、「ブランド高級志向」「セレブライフ」の発信率が低下し、「グルメ」「自給自足」路線が上昇したのは景気の構造を反映しているからだとして、では、世の中の「成功者」はどこで葉巻を燻らせワイングラスを回しているのだろう?世間に投影して自らのIDを映し出せるスクリーンがなくったら、比較されなくなる。優劣や順位こそが「成功者」のモチベーションだったのだろうから、「ただの金持ち」では、「自給自足」と同じである。「自給自足」の方が心がいい感じに満ち足りているようなので、資産のあるなしは関係なく何事も「そこそこ」が「成功」となるような状況だ。

 「成功」が変化したようにテレビからインターネットへスクリーンの設置条件が変化した。しかし、昔と今と人の「ふるまい」は変化したのだろうか?「HOW TO 本」もいまだに百花繚乱だが、この変化に順応しているのだろうか?これからの時代には、どのような目的でどのような立場の人が、どのような「成功」を選択するのだろうか?国の引力が乱れた時、糸の切れた凧のように彷徨うことにならぬよう、自分だけの「赤い糸」だけは確保したいものだ。それは、数多の成功事例ではなく、自分の中にある「relationship」だ。あとは野となれ山となれからの、Let it be!(なんとかする能力)だろう。