パソコンができる人。

 この時代、仕事を探す時の必須アイテムが「パソコン」らしい。車の普通免許と同じぐらい就職にパソコンのスキルが必要なのだ。ある職人のお客様が「この歳で今からパソコンを覚えることはできるでしょうか?」という質問を私にされた。答はYESだが、その職人さんは「パソコンができる」ということの具体的な作業や知識をあまりご存知ではなかった。当然、「ソフトウエア」についても「インターネット」についても別世界のお話のようだ。誰も教えてくれる人が家族にも知人にいなくて、かなり以前からパソコンを使いたいと思っているのだが、何からどう始めればいいのかが分からないとのこと。なるほど、確かに、「パソコンができる人」とは具体的にどのようなことができるのだろう?例えば、メールを書いて送るという作業についても、全く知識や経験がない人はパソコンのスイッチのことから始めなければならないのだ。マウスやキーボードの使い方を覚えてメールソフトの使い方に挑戦する流れ。

 逆にデジタルネイティブの現代の若者は「使うこと」には何のコンプレックスやアレルギーもなくスムーズに使ってる。というよりも、使わされているに近い状態だが、使うことは問題ない。ソフトやアプリを自由に使いこなして仕事や趣味として活用している。でも、就職に有利な「パソコンができる人」とは少し違うような気がする。パソコンを何かの目的のために活用するということは、どのようなソフトウエアを使いこなせるかというテクニックや知識・知恵の部分。知識や経験や教科書通りのテクニックが、どのような仕事の現場で生かせるかは疑問だ。ということは、「仕事ができる人」が「パソコンができる人」に近いニュアンスとなりますし、いずれも「できる人」でなければならない。パソコンができなくとも仕事ができる人はいる。当然、パソコンも仕事もできない人がいる。この「できる」「できない」を見極める境界線が緩いので、とりあえず誰でも「パソコン」を使えるようになってひと安心のようだ。

 仕事ができる人こそ、「パソコンができる人」に一番近いのだろうと思った。