コーヒーを飲む理由

 コーヒーが好きな理由、もしくは、飲む理由が3つある。記憶が定かではないが愛飲し始めたのはひとり暮らしを始めた芸大生の頃(18歳)だった。お茶かコーヒーかという選択肢で、お茶が飽きたからコーヒーを飲み始めたのだが、インスタントの割には美味しかったことと費用的に安価であった理由から学生時代に愛飲できたのだ。芸大での課題を構想している時や実習中もコーヒーを飲むことが多かった。社会人になり少し自由になるお金が増え喫茶店に行くようになる。仕事中に喫茶店にいく理由は、学生の頃と同じで何かを思考したい時だった。自宅でも会社でもコーヒーは飲んだが、思考したいという精神状態をオートマチックに作るために、喫茶店に行きコーヒーを飲むというパターンがとても心地良く、実際、仕事のアイディアや準備をしたり資料をまとめたりする時にいい効果が得られた。と、ここまでは思考の援助がコーヒーの役割だったが、さらに最近では、年齢(49歳)と共に体質が変化している。腹筋や背筋や脚力、そして、肩の柔軟性や腕力、首の柔軟性など腰痛(ヘルニア)からくる諸症状に敏感になっている。また、五感に対しても敏感になっている。視覚は老眼のレベル1(5段階の一番軽いレベル)だし、聴覚も触覚もまぁ大丈夫、嗅覚も粘液の質が変化しているだろうが日常生活や仕事レベルでは問題ない。しかし、味覚は体調をかなり反映している。胃腸が弱ったり、水分補給が必要な状況だったり、疲労が蓄積していたりすると、必ず味覚に変化が現れ、結果、大便や小便にその影響が出る。医者ではないので、相関関係を専門的な医学的知識として充分に確認したいとは考えていないが、朝、仕事の準備をしながら、思考のためにコーヒーを飲む、水分とカフェインを補給するために飲む、それ以外に体調を確かめるためにコーヒーを飲んでいる。これが、私がコーヒーを飲む3つの理由だ。

 缶コーヒーも飲むし、喫茶店でも飲む、打ち合わせでコーヒーを出して頂ける時は大歓迎で飲む。それは、思考に心地良く、身体にも水分とカフェインを入れてくれる効果と合わせ、味覚でその瞬間瞬間の自分自身の体調を微妙にスキャンしているのだ。

 一番美味しかったコーヒーは東京時代、アルバイトをさせて頂いていたO先生の四谷のオフィスで飲んだエスプレッソだ。ドイツ製のエスプレッソマシンでエスプレッソを作るのも私の仕事だっだ。先生が外で打ち合わせをされている時は自由に何杯も飲むことができたし、自分自身の仕事の評価を頂いている時も慢心の緊張と共にエスプレッソが傍らに在った。今でもよくエスプレッソを好きで飲むが、その度にO先生の笑顔と仕事中の真剣な表情が頭に浮かんでくる。今でも先生はエスプレッソを飲んでおられるのだろうか。懐かしい。