同調圧力

あらゆる場面で作用する共有の思考・感情がある。世の中の賛成派と反対派が導く結論がそれを増幅しているのだが、そもそもの根源は脳幹にあるホルモンらしい。社会構造における多数派と少数派にもこの作用が常に適用されて我々はこの同調圧力を重力のように無意識で感じ思考を繰り返している。例えば、この「我々」という意識。1人称と2人称ではこの意識は生まれない。3人称で問題をとらえようとする時、記憶や情報に同調圧力がかかる。それが例え偉人の言葉であれ、井戸端会議のお隣の奥さまの言葉であれ。さらにこの同調圧力の表面的な部分、つまり、言葉でコミュニケーション可能なツールでは特に強く作用している。ネットの炎上がその典型的な事例だ。0と1の2進法で記述されたアルゴリズムがそれを活用する人間の思考のバイアスを受け見事に3人称に変容するのだ。そこで生まれる同調圧力が優劣をランキングし言葉で判断できる倫理の限界ギリギリまで鍔迫り合いを繰り返す。このエネルギーを電力に変換することができたら原子力も地球の有機資源も枯渇しないだろう説もあり、決して空想のSFの中の仮説ではないそうだ。米国のベンチャー企業が、糖尿病患者の家族の症状をネットワークでモニターする装置を自作し医療現場で活用されるようになったのがスマホなのだから。同様にiPodのホイール機能もアップルが開発した機能ではない。当初は別の目的で採用された技術なのだ。
 同調圧力を有効に活用するアイディアはすでにハードのテクノロジーに転用される事例があるらしいが、感情のベクトルが生み出す「摩擦」や「誤差」や「歪み」に大量生産型のシステムには存在しない物理定数では測定できないレベルのエネルギー融合比率があるとしたら、もっと人は「中立的な視点」で多様性の潮流を見極めなければならないはずだ。すべては「白と黒」ではなく、「YES OR NO」でもない、グレイゾーンに無限の可能性が埋蔵されているのだ。「分かりやすさ」は同調圧力を抑制すると捉えがちだが、実は「分かりにくさ」を克服しなければ心が生み出す同調圧力を次の価値へ転用できない仕組みなのだ。