イラストレーター

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 2014年はいろいろな仕事を頂きましたし、新しい気づきも失敗もたくさんありました。中でも印象的だったことは「自分の絵のスタイル」についてしっかり向き合った1年でもありました。その理由は自分は何者なのかという疑問が生まれたからです。いろいろなデザインの仕事に取り組み、いろいろなアプローチやスキルを習得してきたが、本当は何をやりたいと思っていて、何にやりがいや達成感を感じているのかを確認したいと思ったのです。
 そもそも、大きなデザイン制作会社を30歳で離れ、自立自営のルートを選んだ背景にも同じ要因や根拠があったのだと振り返ることができたからです。一般的に組織や会社の歯車になりたくないレベルのお話ではなく、もっと深い場所に装備していたデザインの仕事に対する向き合い方です。そこには「イラストレーション」があったのです。マンガ家になりたい、イラストレーターになりたいという衝動があった(今でも諦めていない。)からこそデザインの仕事を選択したのです。別段、ラーメン屋でもケーキ職人でも大工でもよかったのですが、私はデザインの仕事を選択したのですから。今更(50歳)になってそんなことどうでもいいことかもしれませんが、2014年はそれをひとつひとつ確認する必要があったのです。そんな気持ちで描いたイラストです。
 何をどう考えてこうなったのかは正確には思い出せませんが、改めてこのイラストを見ていると自分にとってイラストレーション(絵)がいろいろな思いや狙いや希望を閉じ込め刻印する最高の手段だということは自身、一目瞭然なのです。つまり、イラストレーション(絵)とはそういうモノでなければならないと気づいたということなのです。
 一方、論理や理論や法則や情報処理は得意ではありません(改めて痛感)。整理することよりも直感的に意思決定するバイアスが「プロの感」だとこれまで自分自身に言い聞かせてデザイナーの自分を操ってきましたが、それも限界を感じたのでしょう。非言語と言語情報の効果や作用を天秤にかけ自由に操ってきたんだと思い込んでいましたが、私自身はイラストレーション(絵)の人なんだと再確認・再発見した次第でした。アートデレクターとかクリエイティブディレクターとかデザイナーとか名刺には入れていますが、根本はイラストレーターでありたいと願う自分との再会だったのです。すると、いかに無駄な余計な過剰なウエイトを抱えて行動力が鈍化していたことに気づきました。これをただの「老化」で済ますこともできたでしょうが、そうそう簡単に老化で片付けられない自分。鈍化の原因が老化ではないとしたらと無謀で強引で乱暴な仮説を立て、老化による劣化も現実としてありますが、それは便宜上の止まり木だったようです。理由や言い訳を抱えて飛ぶことを諦めそうだったので、私の中のイラストレーターが警笛を発したのでしょう。改めてそんな「絵の力」に無類のエネルギーをもらったという一年でした。だから、2015年はどんどんどんどん絵を描いていこうと思っています。